3/1(火)ミミとの邂逅
2022年2月28日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑帰りに気づいたのだが、劇場の壁面の絵柄が変わっている。
明日、質問しなければ。
渡英以来、すでにひと月経ってしまった。
日々あちこちを歩き回っているが、本当にあっという間だ。
朝は語学学校に行かず、zoomでバッカーズの会議に出席する。
VACCURS=電撃障害者商品企画会議。
これは月に一度行われている寄り合いで、可能であれば必ず参加している。
会の幹事の方が施設運営についての変革時期だと伺った。
ご本人はかなりしんどそうで心配だが、身につまされる。
いつも参加している別の人も、それに呼応して自分語りを始めた。
一人ひとりに背負っているものがあって、励まされた。
学校は出席率8割をキープすれば良い。月一の会議には今後も必ず参加する。
午後はAlbanyの近くのイタリアンでギャビンと食事しながら話した。
彼は忙しい時間を縫って来てくれている。他の2施設に行ったことや
子ども向けのプログラムに関心を持っていることを伝えた。
素晴らしかった『Underwater』の演出家さんから、
来月末にマンチェスターでキッズ向け公演のフェスティバルがあると
聞いたと伝えたら、把握していないなあ、と言われる。
ひょっとしたら自分が言葉を聞き間違えたのかも。
帰って調べ直さねば。
夜はセントラルに行く。
ピカデリーサーカス近くの文房具屋でペンを買ったり
ウィグモアホールのボックスオフィスで4-7月のチケットを購入。
時間に余裕があったので前から見たかったウェストミンスター寺院まで
歩いたところ、デモに遭遇。彼らの歌声と、ウクライナ・カラーを
手に手に四方八方から続々と集結する人々。
クロムウェルの像も印象に残った。
生前は英雄だったクロムウェルは、王政復古とともに墓を暴かれ、
遺体の首を刎ねられた末、四半世紀に及び骸をさらされた。
そして、今は銅像が建っている。
複雑な気持ちになったので、帰りにゴールデン・チッピーに寄り、
スケイクという魚を食べた。ここのおじさんは痛快だ。
お前はもっと食べるだろうと言って、A few chips!と店員に大声で
指示を出す。これがa few!?という量が盛られてくる。
人間の地力に打たれる。
2/26(土)
朝からFacebookを投稿。週末恒例の作業だ。
他にも、原稿を書いたり、『秘密の花園』の初演台本と睨めっこ
しているうちに時間が過ぎる。
3:00pm頃になって出かけ、バンク駅から歩いてバービカンに行き、
そこからさらに歩いてウィグモアホールに行った。
途中、喫茶店でチョコレートケーキを食べた。
海外旅行のお土産にもらうチョコの味だ。キャラメルや他の甘味が
入り混じっていて、甘過ぎる。
ヘンデルの合奏協奏曲やカンタータ、スカルラッティ父の歌曲を聴く。
こんなプログラムは日本では滅多に聴けない。
専らCDで聴いていたけれど、指揮者が立ったままチェンバロ片手に
弾き振りするのを初めて体感。こうなっていたのだ!
バロックなので、もとは王侯貴族の音楽だ。
美しいし楽しい。雅やかさに浮世がどうでも良くなる快感があるが、
何か後ろめたい。昨日のデモとクロムウェルが頭をよぎる。
帰りはすべて電車にせずに、歩きを混ぜながら帰った。
週末だから大勢の人が出ている。寒いのに露出度が高い。
大道芸に合わせて合唱している酔っぱらいの若者チームなど、
ノースリーブのワンピースだ。彼らは寒さを感じないのか?
2/27(日)
朝から唐ゼミ☆ワークショップ。
『下谷万年町物語』第2幕に入る。
第2幕こそ、大勢のオカマが長屋のセットにはびこって、
これぞ万年町!という光景が現れる。
その一角で、主人公3人がサフラン座創立のための作戦を練る。
1日に進む分量を抑えてやっているので、たくさん修正をして
稽古っぽい稽古。こちらも腕がなまらないように。
飛び入りで博物館に行こうと思ったが、無料だけれど予約が必要で
どこも埋まっている。メジャーなミュージカルも検討したが、
週末は値段が高い。そこで腹をくくり、完全デスクワークの日にした。
おかげで『秘密の花園』の初演版と改訂版のどこがどう違うのか、
最後まで、そして細部まで把握することができた。
夕方に食事に出かけて散歩もした。
前々から、テムズ川を徒歩で渡る方法はないものか疑問に思ってきたが、
よく見ればカティサーク号のわきに地下道に通じる階段がある。
大きな川を下から渡るだけあり、螺旋階段を長く降りる。
そして階下のトンネルは意外に狭い。
船の横の出入り口、トンネル、向こう岸...まるでドラクエ。
2/28(月)
先週の木曜日以来、三日ぶりの学校。
旅行について話したが、隣の中国人女性がバックパックで30カ国も
巡った経験があり驚いた。他の皆も国際経験豊かだ。
自分は数カ国。旅行で行った国は一つもない。
仕事で行ったベトナムのホーチミン市でけっこう高級なホテルに
泊まったけれど、早朝のジョギングを終えて朝一番でマッサージに行ったら、
女性の整体師にゴリゴリやってもらっている途中、いきなり小声で
「Special service?」と囁かれてビビった話をしたら盛り上がった。
その後、バスでルイシャム駅に行く。
渡英時にヒースロー空港で買ったSIMカードをひと月更新するためだ。
あの時、ボーッとした頭でテキトーに「3」という会社を選んだ。
後に「O2」か「Vodafone」の方が優れていると知ったけど、
今ではこの電話番号に愛着もあるし、ふた月目からは同じ条件で
3,000円程度になる。だから更新しに行ったのだ。
お金は先週に問い合わせに来た時に払ってあり、
店員さんが操作してくれて「これで良いですよ、また来月」と言われ
安心してAlbanyに向かった。しかし、道すがら全然ネットに繋がらない。
もうナビ無しでも迷わないが、到着時間を知りたくても無反応。
劇場に着いて久々に再会したミミが色々と試してくれたけど、
どうしようもない。お店に電話しても、混んでいると繋がらない。
だんだん腹が立ってきて、いっそVodafoneに乗り換えることにした。
Vodafoneならば、週末に引っ越す家の最寄り駅カティサークの前にある。
行ってみたらさほど高くなかったし、むしろ条件が良い。
「3」に払った分を無駄にしても今後の利便性を考えてこちらの方が
良いと思った。新たなSIMカード=電話番号がやってきて、
ネットも絶好調になった。大学2年時、懐かしきJ-PHONEから始まった
自分のケータイ遍歴はVodafoneを経てSoftbankに至った。
久々のVodafoneだ。
順番が前後してしまったが、もちろん今日の最重要トピックはミミとの
邂逅で、前回会った時に疲れ果てていたミミはすっかり元気になっていた。
ここぞとばかりに、今後プロジェクトに同行するためのスケジュールを
ガンガン組み、エマとも会えるように手配してもらった。
聞けば、エマは二つの職場を掛け持ちしていて、週に二日をAlbanyに割き、
しかも殆ど在宅勤務のプロデューサーなのだ。道理で会えないわけだ。
家は近くらしく、こっちから近所のカフェに行っても良いよ、と伝える。
また面白い展開になるだろう。
今日の食事はAlbany近くのインド料理屋でしたが、
(先週、地元の青年たちと写真撮影を巡って睨み合ったところ)
すでに二度目の訪問で店員さんがデザートをサービスしてくれた。
ココナッツ入りのナン。美味い。先日のチョコケーキとは雲泥の差。
この店は肉は出さない。ベジタリアン&ビーガン対応だが、米も含め、
日本で知っているカレー屋より香り豊かで旨いカレーが食べられる。
夜はウィグモアに行き、サー・アンドラーシュ・シフによる
ハイドンフェスティバルの初日を聴く。本来はソプラノ付きの室内楽を
予定していたが、コロナの影響で器楽曲のみに変更したらしい。
よって紙で配るプログラムは無し。
それを補うためにか、彼はマイクを使ってよく喋ったが、
小さな、けれど確信的な声で話す。自然と、こちらが彼の発言を
受け取りにいくよう導かれる。彼の演奏にも共通する特徴だ。
大きな音を出さないところが、かえって強く印象に残る。
弦がピチカートするところのアンサンブルが良かった。
フォルテピアノは撥弦楽器。だからモダンピアノより相性が良いのだろう。
ストリングス三重奏の趣きだ。
ともあれ、今週は何としてもエマに会う。
先週は一通りAlbanyを巡る状況を把握できたので、今度は企画に潜入する。
エマに、ノーアポで自然に会える関係性をつくりたい。
あと、渡英してふた月目なので、暖かくなればロンドンの外にも出てみたい。
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