3/1(日)まさに神出鬼没の興行
2020年3月 1日 Posted in 中野note
↑息子と買い物中、近所のスーパーで見つけました。
上の割引券の一端を見てください。
これ、細川たかしさんと長山洋子さんという
日本歌謡界を代表する『ふたりのビッグショー』の割引券なのですが、
驚くべきはその日程です。
いや、日程と言うより"時程"ですね。
2020年3月31日(火)13:00に茅ヶ崎で公演し、
同日、18:00には山下公園近くの県民ホールで開演しています。
主役のお二人は当然として、
何人のスタッフが同じように移動するのか、
仕込みやリハーサル、バラシは一体どうなっているのか、
想像するだに恐ろしい公演ですが、
これぞプロの世界というものなのでしょう。
音楽と演劇、だいぶ違うなあとこの券を見ながら感心していましたら、
我らが唐さんも似たようなことを過去に行っていたのを思い出しました。
1968年10月26日(土)、唐さん率いる状況劇場は、
18:30開演と21:00開演の2回まわしで京都公演を行います。
場所は鴨川のほとりの紅テント。
演目の『続ジョン・シルバー』は上演時間90分に満たない演目ですから、
これが可能だったのでしょう。
さらに恐るべきは、21時からの回を終えた後、
メンバーは京都駅から新幹線に飛び乗り、東京に移動、
24:30に新宿ピットインでの1日3公演目に突入しているのです。
これが地味に面白いのは、
翌日も同時刻に京都での2回公演をしているところです。
もういっぺん京都に戻る皆さんを想像すると、
何だか愉快な気持ちになります。
ついでに、その間は一体誰がテントの留守番をしていたのか、
大いに気になるところでもあります。
唐さんによれば、
状況劇場にお客が集まった!という実感を得たのは、
実にこの『続ジョン・シルバー』からだったそうです。
すでに前年に紅テントを始めてはいたものの、
当時はまだ好事家の注目を得ているに過ぎず、
ムーヴメントと呼ぶに相応しい勢いに突入したのは、
この頃からだったそう。
ご紹介した超過密日程公演こそその証左、
なるほど納得の暴れん坊ぶりです。
「あの1日3回公演は面白かったなあ」と、
いつだったか大久保鷹さんが私に話してくれました。
衣装・メイクはそのままに、上着だけ引っ掛けて新幹線移動。
車中はさぞ楽しかった事でしょう。
考えてみれば、
東海道新幹線のスタートは東京オリンピックの行われた1964年でした。
唐さんたちは、開通から5年を待たずにその恩恵に預かったとも言えます。
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