3/15(日)唐さんの最終講義

2020年3月16日 Posted in 中野note
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昨日、室井先生の退職記念特別イベントの話をしたので、
唐さんの最終講義についても、ちょっと振り返ってみましょう。

あれは行われたのは2005年1月29日(土)のことです。

ちなみに、1997年に行われた初講義は、
内容を唐さんご自身がお考えになり、
当時の唐組劇団員の皆さんが総動員されて行われたそうです。

教室に黒板のセットを建て込み、
『ジャガーの眼』の「田口」役に扮した唐さんが、
その黒板を突き破って登場。ひとくさり劇中歌を唄って、せりふ。
「あっ、路地を抜けると教室だった!」
......そこから講義が始まる、という内容でした。
周到な唐さんは、横浜駅のバス停にも案内係を立たせたと言います。
さすが、です。

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最終講義はといえば、内容は一切が私に任されましたので、
二部構成にしまして、人型に穴の空いた黒板のセットを設えました。

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一部は、唐さんが駕籠かきに運ばれて登場↑

扇田昭彦さんを聞き手にお迎えして、
大学で過ごした7年半の回想↓
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二部は、そのままの流れで唐さんの振りでスタート。
唐ゼミがそれまでにやっていた8本の劇の名場面を、
ダイジェストして立て続けにやる、という盛り沢山の企画でした。
いま思い出しましたが、休憩なしのぶっ続け2時間でした。

そして、カーテンコールに突入すると、
当時の唐ゼミ公演の流れで、最後に唐さんが現れます。
この時は、2003年に唐さんが演劇賞を総ナメにした時に新調した
タキシードに着替えてもらい。
赤い木馬に乗って出てもらいました。
(一番上の写真です)

そして、唐さんのからの一言があり、
さらに再び木馬に乗って、大きな窓のところで花束を受け取る。
バンドの伴奏で『少女仮面』の「時はゆくゆく」を唄い、
窓の外に、つまり、教室から路地に帰ってゆく、という構成でした↓
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特に面白かったのは、唐さんの挨拶で、
今でもはっきり覚えていて、だいたいこんな具合でしたので、
ここに書いておきます。

「いつも大学をあとにする時、振り返ると、
夕陽のあたる校舎の3階には、
中野くん、椎野ちゃん、禿ちゃんたちの影が見えます。
悩みながら、芝居の稽古をしているんです。
ああ、これこそ、現代の「若きウェルテル」なんだと思いました。
さようなら、横浜国大。さようなら、7年半!」

......唐十郎研究室は5階だったのですが、
この時、私は唐さんから、言葉の韻律やイマジネーションのためには、
多少は事実を歪曲しても構わない、ということを学んだのでした。

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