3/23(水)Lewishamを歩く① Brackheath〜Lee 〜Lewisham
↑グリニッジ公演の南端に戦没碑があった
今日から午前中は学校に行き、午後は散歩することにした。
そもそもロンドンは32地区に別れており、Lewishamはその一つ。
研修先のThe Albanyはロンドン市が行ったコンペに勝って、
劇場が地域を盛り上げるためのフェスティバルを2022年を通じて
行なっている。それが「WE ARE LEWISHAM」だ。
自分としては、一度、区内をくまなく歩いてみたい思った。
月曜の朝シンポジウムで、久しぶりに多くの劇場スタッフに
まとめて会ったが、何人ものスタッフに「アツシはいつも劇場にいる」
と言われた。一通り顔見せは済んで馴染んだようだし、
今度は、この劇場が盛り上げようとしている地区を肌で感じてみたい。
どんな地形で、どんな歴史を持ち、どのような人たちが住んで、
地区の雰囲気がつくられているのか。歩いて把握する。
大通りだけでなく、住宅街にも分け入って、民家や学校を眺める。
家や庭の様子や子どもたちを見れば、そこに住む人が想像できる。
商店にも入って、美味い店も見つけたい。
考えてみれば、KAATでも初めにこんな動きをした。
神奈川県は広いから、車を調達して走りに走った。
イギリスでは車がないがその分狭い。徒歩で十分だ。
↑庭が広い。高級車がたくさん。
Greenwich Westにある語学学校を出て南に進む、
登りを経てBrackheathへ。ここは有名な観光地だが、
行ったことのある中心をわざと避けて、区の境界ギリギリを歩く、
高級住宅地だ。庭は広く、高級車がいたるところにある。
学校の広々としており、いかにもお金持ちの子弟がバスケットボールを
していた。
↑新築のマンション群
高級マンションが次々と新築されている様子で、
公園にはユニークな遊具があった。
さらに南進してLeeを目指すと、もう少し落ち着いた
昔から裕福な人たちが住み続けている雰囲気に切り替わる。
新築エリアには生活感がないが、住み慣れた居住まいの良さを感じだ。
国鉄Lee駅は周辺にだけお店があり、広大な公園と住宅街だった。
↑Lee駅前。「WE ARE LEWISHAM」のフラッグがあった。
この場所が自分にとって重要なのは、
好きな詩人で小説家のErnest Dowson(1867-1900)の出身地
だからだ。唐さんも好きな「酒とバラの日々」という言葉は
彼の詩による。同名の映画が作られたのを唐さんは観て
『二都物語』二幕にこのタイトルをつけた。
自分は20代の頃に岩波文庫から出た短編を読んで気に入り、
翻訳で読めるものは読んだが、土地柄を見て彼の原点を実感した。
彼が生まれる前年に国鉄開通。地方の商人がロンドンで商売を
するために屋敷を構えたこの場所には豊かな邸宅が多い。
けれど、すぐ近くにLewishamというワイルドな一帯を見下ろす。
↑Bwlmont Groveという地域。この丘のあたりでダウスンは生まれた
金持ちしか知らない金持ちと、貧しい人々を知っている金持ちは違う。
ダウスンは後者ゆえにあのような作風になったし、身を持ち崩して
破滅していくやり方を、小さい頃から体感していたのだと思う。
それにしても、何人かのイギリス人にダウスンの話題をふったが、
誰も彼を知らない。ミミも知らいという。
今度セントラルに行ったら、本屋で本を探したい。
小説には英語力が追いつかないが、詩なら辞書を引き引き味わえるかも。
Lee一帯は今日の気候の良さも手伝って、別荘地のような優雅さだった。
そこから北上しLewisamを経て帰ってきた。
途中、ダイアンに頼まれた買い物をしたりして。
合計10マイルちょっと歩いた。
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