3/28(土)舞台美術と言えば

2020年3月29日 Posted in 中野note
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↑かつて、劇団員総出の深夜作業でペイントした舞台美術。
2007年3月に初めて上演した『続ジョン・シルバー』のセットです。
パネルに「海」が描かれています。

今日は、夜に何人かで集まって作業をしました。
劇団のメンバーはそれぞれの仕事を持っていますが、
人によって、イベントや公演の中止や、盛り場の閉鎖による影響が
現れています。

劇団というものは、どこか原始共産制みたいなところがあり
お腹が空いている人がいたら食べ物を分け合う、という風に自然と
なります。不安定な情勢下ではありますが、
何人かで集まって話をしていると、やはりかなり愚かな話もし、
気分が明るくなってくるから不思議です。
劇団のおもしろさ、人が集団でいることの強さを実感します。

一昨日に舞台美術家のカマダトモコさんとセットの話をして以来、
『唐版 風の又三郎』公演の美術に向けて、頭が動き始めました。
そこで思い出したのが、劇団員総出で描いた『続ジョン・シルバー』
のパネルです。

この時はテントでなく、劇団新宿梁山泊の牙城である「満天星」
という小さな地下の劇場を使わせてもらいましたので、
大きな柱も含めて、空間を上手く遊びたいと思って考案したのが
これでした。

物語的には「海の見える喫茶店」という設定です。
だから、海と喫茶店が一体化したセットを作りました。

これは、晴れた日に横須賀市の観音崎というところに行き、
撮影した映像を深夜にプロジェクターで投射し、
メンバー全員で片っ端から塗り込めていく作業によって
完成したものです。

学生時代にアルバイトしていたコンビニの店長さんがよくドライブに
連れて行って下さった効能がここに現れました。
数人の釣り人以外、いつもあまり人がいない京急観音崎ホテルの裏の
デッキボードから見える風景です。

本番では、このパネルの元になった映像を投射しながら開演すると、
不思議な風合いになって気に入っていました。
東中野の地下室にも、海の匂いを運ぶことができたように思います。

柱は、喫茶店を貫く大木として造形し、オーガニックなカフェという
ことにしました。
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