3/29(金)お別れがたくさん、そして初台から水戸へ

2024年3月29日 Posted in 中野note
IMG_6414.jpg
↑長かったけど、あっという間でした

今日は午前中、春の嵐の中を保育園に娘を送っていき、
それから県民ホールに短い時間出勤しました。
ここ2週間『鐵假面』に集中していたので、浦島太郎的な感じがあり、
それでいて、年度末であることを痛感しました。

保育園の先生には異動を告げられ、
県民ホールでは退職者の皆さんと一通りお話ししたためです。
例年に比べてかなり多くの人たちが職場を変える年になりました。

それから、午後は初台へ。
新国立劇場で、大野和士さんが指揮する『トリスタンとイゾルデ』を
観ました。言わずと知れたワーグナーの人気演目ですし、千秋楽でも
あったので海外からのお客さんも多く賑わっていました。

この上演は初演も観ており、あれは2011.1.4だったと
強烈に覚えています。結果的に波乱の2011年でしたが、
お正月あけて一つ目の鑑賞がこの楽劇で、燃焼し尽くしたのか、
大野さんがその後に体調を悪くされたことをよく憶えています。
そして、震災の年になってしまった。

以前より、多くのものが見えるようになりました。
『トリスタン〜』というと、主人公二人の盛り上がりに目がいって
いましたが、こうして実際の上演を久々に観ると、二幕で盛り上がる
二人を遠巻きに眺めるイゾルデの侍女はなんだかやり手ババアのような
おかしみもあるし、三幕冒頭、息も絶え絶えのトリスタンを励まそうと
する従僕は、なんだか太鼓持ちのようです。

そういった人間の可笑しみ、転じて哀しみが自分の中に入ってくるように
なりました。二幕終盤で、主人公二人のデート現場に踏み込んだ王が
若い嫁を満足させる肉体を失っていること、二人の密会を告げ口した
臣下がイゾルデに対して横恋慕していたことも気になりました。

当人たちにすれば地獄絵図ですが、側から見ていると面白い人間関係です。
それに、二幕終盤の地味な場面で、トリスタンがいかに愛情に欠落して
育ったのかが切々と語られると、彼がある時は異様に王に忠義立てし、
ある時はイゾルデにゾッコンのめり込んでしまう理由がわかる気がしました。

思わず、尊敬する小池一夫先生の『I・餓男(アイウエオボーイ)』を
思い出してしまいました。そういったことがわかるようになったのが
自分の13年間だと教えてくれた、貴重な公演でした。

さて、それから新宿で晩御飯を食べ、『少女仮面』に必要な
文房具を買い、水戸に殺到して今に至ります。
明日は朝からバッタ。土曜の夜には横浜に戻ります。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)