3/8(火)引っ越しを終えて

2022年3月 9日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note

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↑いろいろ面倒を見てくれたホテルスタッフのサキブさん


先週末から週明けにかけての記録を。


4(金)

イギリスの人々の週末にかける意気込みは強い。

語学学校のエリザベス先生も、今日は金曜日だと嬉しそうだ。

と同時に、クラスメイトの中には遅刻が目立つ。

初めて文法のテストで一番になることができた。

これまで周りに遅れをとってきた分、嬉しい。


この日のalbanyにはミミやセリ、エマがいない。

そこで引っ越し準備に注力するため、午後をホテルで過ごす。

物を増やさないようにしてきたが、書類や石鹸類、

買ってしまったCDなどが確実に増加している。

到着時、すでにトランクがパンパンだったので、

スーパーの買い物袋を足して対処する。


困ったのはお金の用意。大家さんに敷金と初月の家賃を現金で

渡さなければならないが、ATMで四苦八苦する。

ここにきて、近所のスーパー前にあるものでは一度に£200までしか

おろせないことが判明。後ろに人を待たせながらの繰り返し作業に

怖気付き、一回やったら次の人、その人が終わるのを待ってまた自分、

を繰り返す。が、いよいよフィニッシュと思ったら、デビットカードの

1日上限に道を阻まれた。仕方ない。

残りは明朝おろそうと先送りにして、荷造りを終える。


長い逗留だったし、初めてのUK滞在場所につき思い入れがある。

ホテルスタッフにお礼状を書いた。カードキーと一緒に封筒に入れる。


夜はアンドラーシュ・シフのハイドン・フェスティバルに向かう。

初日を聴いてもう一度行きたいと思った。当日券でステージ近くの席を買う。

フォルテピアノの音は繊細だ。聴き逃してはならないと奮発したが、

響きと演奏に陶然として悔いなし。


帰り道、オフィスビルの路地裏を通ったら、閑散とした通りに

四人の男が毛布にくるまって車座になり、サイコロを振っていた。

英国式チンチロリンだ! 彼らから10メートルほど離れたところには

明らかな人糞があり、「ペストのロンドン」という言葉を思い出した。


5(土)

引っ越しの朝。早朝に日本とzoomを行った。

ずっと唐ゼミ☆の写真を撮り続けてくださっている伏見行介さんとだ。

これまで、あまりお話もせずに10年以上も撮影してくださっているが、

初めて話し込んだ。日本に帰ったら、伏見さんに会いたい。


それからfacebookを更新し、引っ越しの仕上げにかかる。

トラブルが二つ。まず、一日経ってもお金がおろせない。

次に、出発時にお礼状を置こうとしたらサキブさんに声をかけられ、

お別れがセレモニー化してしまう。彼はチェックアウト客の捌きも

あるから、少し話しては接客に戻る、を何度も繰り返さざるを得ない。

ありがたいのだが、大家さんに10:00に行くと約束しているので、

ちょっと焦れてしまった。でも、やっぱり別れを惜しんで記念撮影。


スニーカーの袋を括り付けたトランクをゴロゴロやりながら

新居のある丘の上を目指す。息せききって辿り着くと、

これからお世話になるミス・ダイアンが温かく迎えてくれた。


まずは、部屋に荷物を運び込み、それからお金について

お詫びと説明をして、残りを待ってもらえることになった。

それから、カギの開け閉めや部屋の窓の開け方や収納の仕方を教わる。


共同生活のスタートを良好に切るためにも、この日は他に予定なし。

バスタオル、追加で必要なハンガー、昨晩壊れた傘の替え.....。

そんなものを買うために出かけようとしたところ、

どこに行けば安いか、どのように移動するべきか、丁寧に教えてくれる。

行き先は、何度か行ったことのあるLewishamショッピング・センター。

あそこは治安が悪いので気をつけるよう、何度も釘を刺される

母親のようだ。


のどかな丘を下って行くと、20分で目的地に着いた。

それから英国で、初めて生活感のある買い物をした。

何軒も店を回りバスタオルの価格を比べた。

£20の店もあれば、£5のところもある。もちろん自分は底値のを買う。

触れたところ品質に問題ないし、自分は年末までの期間限定だ。


水なども買って家に戻ると、ダイアンさんはご自身の買い物に

出かけている。そこで、Canary Wharfへ。

いつも乗り換えにだけ使ってきたが、ここにはスーパー付属のものより

精度の高そうなATMがあり、案の定、無事に引き出すことができた。


初めて Canary Wharf の商用施設も渡り歩き、

どんなお店が入っているかを確認した。ここにも一風堂がある。

6:00pm頃に家に戻って荷を解いているとダイアンさんも帰ってきた。


シャワーの使い方も聞いたが、使用後は水を拭き取ってねと言われ、

Yesと答えながら内心おどろいた。そんなことができるのか。

これはやってみると、そんなに難しくなかった。

英国は乾燥していて洗濯物などすぐ乾くが、ここのバスルームは換気が弱い。

ダイアンさんの入浴後も、なるほど、キレイに拭き取られている。


これを食べるしと様々なものを供される。

それでいて寝る前には、飲食は自分でね、と念を押される。


6(日)

翌朝起きしな、コーヒーどう?と言われて笑ってしまった。

原則があり、グレーゾーンがある。これが共同生活だ。


聞けば、これまでダイアンさんは何人もの日本人女子を受け入れて

きたらしく、最長の人は8年もいたらしい。向こうの方がプロだから

こちらは従って行けば良い。それに、下手に友だち世代とシェアを

するより、向こうにイニシアチブがあってそれに合わせていく方が、

曖昧さが無くて楽だ。ここの掃除はどっちなの? という状態で

不衛生になっていくより、規律があった方が健康に良い。

今年は体調を崩せない。


こちらの時間で9-11時まで唐ゼミ☆WSをして、

自分の声がデカすぎないか訊いたら、ダイアンさんは笑って

OKと言ってくれた。


昼過ぎに、ぜひ行くよう勧められたブラックヒースに散歩して

昼食のパンを買った。いつもグリニッジのGAIL'sという店で

買ってきたが、同地にも店舗があるらしい。


歩いて15ちょっとのブラックヒースに向かうと、

丘を下ったところに大きな教会があり、さらにその下に商店街が広がる。

自然が多く、コンパクトにお店が集まるのが魅力的な村だ。人が多い。

頼まれたダイアンさん用の水も買い込み、少し教会に寄って家に戻る。

今度は洗濯の仕方を教わった。洗濯は週に一度だそうで、

とりあえず土曜日を選択した。汗をたくさんかく夏は大丈夫か?


洗い終わりを待ちながら、さらに買い物へ。

共有物として、食器洗い洗剤、トイレットペーパー、

キッチンペーパーを月に一回収めなければならない。

また、今回は使わせてもらったが、洗濯用石鹸も別々。


そこで、これらが安く手に入るお店とグリニッジ駅への近道を

教わり、今度は今までとは別のルート、階段を使って丘をくだる。

以前は前を通り過ぎながらも決して入らなかった店がオススメの買い物先。

こうして、徐々に自分も地元の仲間入りする。


品物を揃えてレジの青年のところに持っていくと

Do you live in Dian's house?と訊かれてビビる。

Why do you know that? と訊き返すと、

歴代の住人が皆同じものを買いにくるから、と笑っていた。

あの小さな女の子はどうした?とも訊かれたけれど、

1週間前に入れ替わりで引っ越した彼女を自分は知らない、と答えた。


家に戻ってダイアンさんに報告すると、笑いながら

店員の彼は前に住んでいた女の子のことが好きだったのよ、

と教えてくれた。これまでのホテル暮らしに比べて

人間関係の入り組んでいることよ。


5:00pmに家を出て、Deptfordへ向かう。

インド料理Hullabalooで食事を摂り、その後Albanyのカフェで事務。

そして、7:00pm開場のライブを観るのだ。


7:30pm頃からお客の集まりが本格化すると、

着席で150キャパのAlbanyに倍以上押し寄せている。

今夜はオールスタンディングゆえにそれが可能なのだ。が、凄い数だ。

バーも激混みだが、リヴやケイトが生き生きとお客を捌いている。


7:45pmからDJのあおりが始まり、8:00pmからライブ本編。

3人の歌手が場を盛り上げたが、自分にはイマイチだった。

ヘイワードさんやMatchstick Piehouse でのライブの方が

断然すごかった。今日の3人は有名人なのだろうか。終演11:00pm。


遅いので急ぎ足に帰宅したが、あらかじめ帰り時間を伝えてあった

ダイアンさんはにこやか。シャワーを浴びて拭き掃除し、就寝。


↓自分の部屋。ここで色んなことがあるだろう。

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7(日)

次なる研究対象を『唐版 俳優修行』と定め、台本づくりと読みに入る。

シェイクスピアの国にいるから、というのが選定の根拠。

かつてMORDの松本修さんが演出した舞台を思い出す。


その後、新居から初めての出勤。

目と鼻の先にSt Ursula's Covent School(聖ウルスラ学園?)という

女子校があり続々と生徒が登校してきていたが、校門が開いていない。

生徒たちが開門を待つ。日本とは違う景色だ。


語学学校にはヨルダンとフランスから新たなクラスメイトが加わった。

ロンドンで発見した自分のオススメスポットについて話し合う。

先生や他の生徒の話が、以前より聞き取りやすくなった気がする。


Golden Chippyで特大Skateを食べ、Albanyに移動。

先週の会議の議事録を送ってくれたロミカにいろいろ質問したいが、

いないようだ。シフト表では出勤になっているが、オフィスに荷物を

置いて何処かに行っているようだ。また明日チャンスを探ろう。


夜はBush Theatreへ。

少し遠いところにある劇場だが、演目が気になった。

フットサルと会話劇を融合させた作品だった。

16歳を演じた3人の黒人青年が優れている。

お客は半分も入っていなくて100人に満たなかったけど、

彼らの達者さといかにも青春の残酷と甘さを描いたストーリーに

終演の瞬間から総立ちで拍手していた。一体になってグータッチもする。

コロナはどこへいったのだろう。


↓村はずれの教会。日曜朝の礼拝の後で、中は良い香りがした。

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