4/11(金)『少女仮面』考〜仮面いろいろ

2025年4月11日 Posted in 中野note
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↑少女たちが並ぶ。ラストシーンを写しとった写真です

昨日に続き、グラフ紙を眺めています。
『少女仮面』終盤に登場する少女たちは、上のような様子なのです。
少女たちは、何やら目の部分だけが空いた頭巾をかぶっている。

普通に考えれば、この写真は春日野八千代役の白石加代子さんの
マスクを下にかくすために、また顔を覆っているシーンだと
考えられます。が、そこは、ストイックな鈴木忠志演出ですから、
あるいは、これで、春日野=白石さんの仮面、ということなのかも
しれません。

なぜなら、ト書きには、少女たちの顔を防空頭巾で覆うよう指示が
あるのですが、これは「防空頭巾」のレベルを超えているからです。

唐さんによれば、鈴木忠志演出では、水道飲みの男の血で水道の水が
赤く染まるシーンさえ、決して水を染めることは無かったと聞いた
ことがあります。透明の水のままで押し通したのだと。
照明で赤く染める、ということもしなかったに違いません。

俳優たちにによってのみ、観客の中に水が赤くなることを狙ったのか。
それとも、透明なままの水を「赤くなった!」と怖れる人間の錯乱を
あぶりだしたのか。私にはどうも、早稲田小劇場の初演は後者を
狙ったもののように思えます。

写真一枚で、今夜もいろいろと考えてしまいます。

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