4/12(水)去年と今年の砂

2023年4月12日 Posted in 中野note
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↑砂といえば、去年の初夏はThe Albanyで "Sun and Sea" という
インスタレーションオペラを招聘した。砂の仕込みが大変だった

昨日からしきりと、周囲が黄砂のことを話題にし始めました。
「明日、明後日はひどいことになるらしいよ」とか、
「外に洗濯物は干せないね」とか。

今朝、ベイブリッジを渡ったら「風速14メートル」という表示が出ていて、
この大風に乗せられて、砂は西から東へ、遥かゴビ砂漠から日本へ
やってくるのだと実感しました。

目下、本読みWSで取り組んでいる『愛の乞食』には、
愛すべきキャラクター、チェ・チェ・チェ・オケラの
万里の長城から小便すれば、ゴビの砂漠に虹が立つ
という気楽な鼻歌があって、これを思い出したりもしました。
しかし、車がザラザラになったりして、特に九州や西日本の人たちにとっては
気が気ではないでしょう。

黄砂は日本だけかといえばそうでもなく、去年に暮らしたロンドンで、
大家さんのダイアンから、春にやってくる砂について聞いたのを思い出しました。
ダイアンの家は頑強で分厚いレンガづくりで、そのために冬は暖かく、
夏でも涼しさをキープしています。そのために気温が40度に迫った
異常気象の盛夏ですら、冷房なしで過ごすことができました。
窓は二重窓。

その二重窓に、春になると砂がつく。
キレイ好きなダイアンは毎週水曜にやってくるハウスキーパーの
ロミオに頼んでいつも窓を外から拭いてもらっていました。

その砂はどこから来るかといえば、北アフリカのモロッコからやってくる
のだと聞きました。日本では西から東に吹く風が、イギリスには、
南東から北西の吹くのだと妙に感心したりして。

It's quite romantic that the sand is brought all the way from Morocco!

と伝えたらダイアンは笑っていました。
エリアス・カネッティのモロッコはロマンティック、
チェ・チェ・チェ・オケラのゴビ砂漠は愛嬌いっぱい。
二つの砂は自分にとってそんな感じです。

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