4/15(水)初めての青テント公演で②

2020年4月16日 Posted in 中野note
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↑一番奥にいる、派手な着物の人が「カゴかき③」です。

昨日の続きです。

青テントのお披露目となった『ジョン・シルバー』再演は3日間の公演
でしたが、その初日は散々なものでした。
で、そこに観劇に来てもらっていた大久保さんが、
2日目の舞台に立つことになった。

明日までに何か考えようということで、
確か室井先生のポケットマネーでその晩は横浜のホテルに鷹さんに
泊まってもらい、翌朝、中華街で朝粥を食べながら作戦を練りました。

結果、出番を2箇所考えて、
1幕と2幕で一回ずつ出てもらうことにしました。

1幕。
一応は現代劇にも関わらず、あの芝居のヒロイン・小春は
何故かカゴに乗って現れます。
そのカゴかき役の3人目ということで出てもらいました。

「カゴかき①」が兄貴分。「カゴかき②」が弟分。
大久保さんが演ずるところの「カゴかき③」は②のさらに弟分。
という設定です。
もともと、①が何か言うと、②はひたすら「そうだ、そうだ」と言う。
さらにその「そうだ、そうだ」が盛り上がって「炭酸ソーダの唄」に
至るという、他愛なくも演者にセンスが求められる仕掛けです。

で、いきなり出ていった鷹さんは、
②の後に輪をかけて「そうだ、そうだ」と言い続け、
①②が歌う「炭酸ソーダの唄」の歌詞をステージ上でコピーしながら
かなり即興で歌いました。
当然、一人だけやたらに余裕な人が明らかに場当たりでやっているので、
ウケます。

その後、カゴかきたちが小春を手ごめにしようとし始めたところに
ふんどし姿の紳士が登場して暴漢たちをなぎ倒し、
カゴかき去る→紳士は小春に一目惚れ→2幕 床屋で二人は再会、
という風に、芝居は運ぶわけです。

が、ふんどし紳士がカゴかきたちを倒しているにも関わらず、
あの人、ステージ上から全然去ろうとしない。
一応、やられたリアクションは取ってくれるんですが、
元気いっぱいに駆け回って、とにかく引っ込んでくれないんですね。

それが、あまりに続いたので、
客席は喜んでいるけど、こりゃ芝居が破綻するなと思った私は、
舞台袖からロープを投げ込んで、つまみ出すように言いました。

結局、紳士・カゴかき①・カゴかき②が3人掛かりで、
カゴかき③をロープでグルグル巻きにして、
ステージ脇にポイと捨てることで、
ようやく長い長いシーンが終わりました。

大いにウケて、うちの役者たちはかなり嬉しそうでした。
それから、ここが大事なことですが、
そんな風に遊び尽くした後、紳士が小春に一目惚れする場面には、
芝居の本筋に引き戻すために、いつも以上の集中力がありました。

・・・長くなってしまったので、これは明日も続けましょう。
明日は2幕の出番の話です。

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