4/14(水)何でも訊いてくれ!
2021年4月14日 Posted in 中野note
↑唐さんがシェイクスピアと対談している本はこれです!
冬樹社から出ていた『乞食稼業』
最近、若葉町ウォーフで佐藤信さんと話していたら、
信さんの元生徒である梅山いつきさんが出した
『佐藤信と「運動」の演劇:黒テントとともに歩んだ50年』の巻末を眺めながら、
「この年表が便利なんだよね」とおっしゃっていました。
なるほど。本人というのは意外とご自身の業績について覚えていないもので
自ら育てた研究者に助けられていると言うのです。
「唐さんの劇中歌の音源は、何てタイトルのCDに収録されていたっけ?」
「唐さんとシェイクスピアの対談(!?)が載っている本、何だっけ?」
「唐さんが海にいたテレビ番組、アレなんだっけ?」
「〇〇〇〇って感じのせりふがある劇、何だっけ?」
こんな風な質問が、最近は2週間に一度ほどのペースで来る。
今のところ、なんとか100点満点で回答しています。
思い出すのにひと晩くらいかかることもありますが、
周囲の力も借りて、どうにか思い出すことができている。
正直言って、唐さんのすべての戯曲、すべての著作を読んでいるわけでは
ありませんが、それでも何とかなっています。
過去にはこんなこともありました。
ある時、ご自宅にお邪魔して唐さんと話していた時に、
今や活躍中の若手俳優となった息子の佐助君が(確か10代半ば)、
父である唐さんに昔の仕事について質問をした。
すると唐さんは「中野に訊いてくれ」と。
その時は笑って聞いていましたが、自分はできる限り、
唐さんのことをちゃんと覚えていようと思いました。
芸能界には吉田豪さんという人がいて、
対芸能人のプロインタビュアーであるとともに「タレント本のプロ書評家」を
自認していらっしゃる。「本人よりも本人に詳しい」という触れ込みです。
このキャッチは、ひとつの理想ですね。
唐さんについていえば、なんといっても安保由夫さんが知恵袋でした。
安保さんにとって、1970年代以降の唐さんは実体験ですし、
何より、バー「ナジャ 」のマスターであることで、お客さんと話題にする。
定期的に過去を呼び起こす作業がなされていたのでしょう。
安保さんの記憶は正確でした。
話した回数、アウトプットの頻度、記憶が衰えないために最も有効な手段です。
もっとも、人は記憶を改竄する動物でもありますから、
自戒を込めて、話を盛り過ぎてしまわないように、私はこのゼミログを書いています。
さあ、今日もこれからワークショップ!
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