4/15(金)ミミのちから

2022年4月15日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑開演直前

昨日、いつもの通り語学学校に遅刻していき、授業を受けたところ、
放課に呼び出された。何か注意でも受けるのかと思ったら、
月曜に受けたテストの点がよく、昇級すべしと言われた。

冗談じゃない。この問題はマークシートのテストみたいなもので、
実は英語がわからなくても他所の問題を見れば解く方法があり、
それで正解を出してしまったのだと先生と事務スタッフに白状した。

そういうわけで内容をいかに理解していないかも伝えたら
大笑いされた。数週間で卒業していく周囲とは違い、
僕はゆっくりやらせてもらいます。
あと、遅刻をするのはホスト・マザーが素晴らしい人で〜
などと話して、これまでよりさらに深い理解をいただくことに成功した。
まことに良い学校、良いスタッフの皆さんである。

さて、Albanyではミミが忙しい。
イースターの連休を目前に、これからますます佳境に入っていく
各プロジェクトのために新人スタッフを迎えている。
彼らに働き方を教えるのもミミの仕事だ。
さらに、ヴィッキーやエマの家族や友人に不幸があったらしく、
彼らは劇場に出てくることができない。ために、ミミはますます
追い込まれた。そばでデスクワークしていたが、切迫感が半端なく
話しかけるもの憚られた。

しかし、昨晩は観劇の約束をしていて、
午後5時半には連れ立ってロイヤル・コート・シアターに出かけた。
それもあって彼女は、鬼の形相で仕事を片付けていたのだ。

ロンドンが地元のミミとの移動は楽だ。
おしゃべりしながらスイスイと劇場入り口に着くと、
観劇予定の何人かがミミに話しかけてくる。

この人は、いま売り出し中の劇作家でヒット映画のシナリオも書いた。
この人は、この劇場のスタッフで2カ月前に出産したばかり。
この人は業界のベテランで、制作も創作も何でもやるマルチプレイヤーだ。
この人は・・・

すでに地下にあるカフェのテーブルがミミによって予約されており、
夕食を食べた。そして客席に進みながら入場料はタダで済んだという。
席は2階席真ん中1番前の、要するに最VIP席。

素晴らしい友だちがいっぱいいるから、とミミ。さすがだ。
自分にとって2度目の観劇となるこの演目は大評判だ。
新しく登用された演出家がロイヤル・コートで成功を収めた、
そうミミが教えてくれた。

帰りにミス・ダイアンに教わった隣の高級カフェに飲み物だけ
飲みに行った。なるほど、ノエル・カワード、ベケット、
ジョン・オズボーン・ウェスカー・・・、様々な人たちがこの店を
訪れた写真、舞台のポスターや写真が飾られていた。
この店は初めてだったらしく、ミミも驚いていた。

良い指南役に恵まれたものだ。

他方、現実の世界に比べれば劇場や演劇の世界は小さい。
24時近くの帰りの電車の中で、ミミに、今日もAlbanyの近くで
キリスト像の前に立ち尽くして15分も動かない女性を見たと伝えた。

それから、お互いの国の政治や経済や風習の話になった。
別れ際、家に着いたら必ずメッセージをちょうだいと、ミミ。
ロンドンで危険な目に遭いやしないかと、こちらを心配している。
小柄なミミは、実に力強い。

↓COLBERIというカフェに終演後に行った。高いので一杯だけ。
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