4/19(水)軍歌というもの

2023年4月19日 Posted in 中野note

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↑軍歌活用ランキングNo. 1はこの場面でしょう

『唐版 風の又三郎』唐ゼミ☆2021年公演より(写真:伏見行介)



軍歌を愛好しているというと、戦後民主主義社会では波紋を呼びます。


が、唐十郎作品の中にも軍歌は登場します。

一番見事に軍歌が使われた例は『唐版 風の又三郎』で活躍した

『荒鷲の歌』です。あの、帝国探偵社の面々がふんどし姿で跳び回り、

♪ぶんぶん荒鷲、ぶんと跳ぶぞ〜と歌い上げる場面は、

誰がどうやっても盛り上がり、爆笑に包まれる鉄板シーンです。


いま読んでいる『愛の乞食』にも軍歌は登場します。

『独立守備隊の歌』『満鉄の歌』など、一瞬にして満州の空気を

充満させる効果が絶大です。


私が聞いたところでは、初期の紅テントにおいて、

芝居がはねた後の車座の宴会では、どんぶりを箸で

チンチン叩きながら、たびたび軍歌が歌われたそうです。

いわば座興の盛り上げソング。


初めてこれを聞いた時は驚きました。

初期状況劇場といえば進歩的な人たちの集まりであったはず。

どちらかといえば反体制的、左翼的な傾向が強い面々にあって、

彼らが軍歌を歌い上げている光景は想像し難い。


けれど、澁澤龍彦さんなども軍歌で盛り上がるクチらしいのです。


こうした事実を面白いと思います。

歌に込められた思想信条は別にして、小さい頃から高揚した歌に

身体が勝手に反応してしまう。そういうこともまた、

歌が持つ強い側面だということです。


小さい頃に観ていたアニメソングみたいなものか、とも想像します。

刷り込みが効いているので、『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』や

『北斗の拳』の主題歌に、思わず体が反応してしまう。


自分はそういう世代です。気づけば全て少年ジャンプ系。


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