4/20(水)ローエングリンとロシア人の友だち

2022年4月20日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑初日なので、演奏に緊張感があった。

昨日は渡英以来、2回目のロイヤル・オペラ・ハウスだった。
思えば、ロンドンに来て初めての観劇は『Theodora』というヘンデルの
どマイナーオペラで、街を歩くにも建物に入るのも緊張していたが、
たった3ヶ月足らずで慣れるものだ。
当日券を買うのも観劇前にコーヒーを飲むのも、パンだけは安くて
美味いグリニッジの店であらかじめ買って持ち込むのも板についてきた。

はっきり言ってロイヤル・オペラは高いし、
慣れたところでやっぱり場違いだし、身を切るような表現からは
程遠い場所だから、普段の演目を観たいとは思わない。
けれど、やっぱりイースターだったから、『ローエングリン』を
観たいと思ったのだ。

と、学校で言ったら、やはり先日から興味を持っていた
ロシア人のAさんが一緒にくることになった。
彼女は大変に個性的な人で、22歳でモデルの仕事をしているそうなのだ。
先日、突然にタイのバンコクに行って周囲を驚かせたが、
それも仕事での渡航だったらしい。

今日わかったことだが、学校を終えた後はいつもジムに行くそうだ。
さすがモデル。学校の中ではいつもピンクのスニーカーを履いていて
外に出るときは黒の革靴にかわる。教室の隅にある先生用の荷物置きに
勝手にそのスニーカーを置いていて、彼女が数日休む時には、
それを観てみんなが笑っていた。

そういうわけで、授業後に一旦別れ、それぞれの予定をこなして再集合、
セントラルを目指した。聞けば、彼女は毎晩セントラルで食事をしている
そうだ。グリニッジの辺は好きではないと言う。
こちらはホストマザーに教わったグリニッジの店の方が好きだと伝えたが、
セントラルのレストランが良いのだそうだ。

どうも、お金に余裕がある人のように思える。
劇場に着いて当日券を買い、自分は寝ないようにコーヒーを、
彼女は白ワインを飲んで一幕が始まった。酒強い。さすがロシア。
有名な前奏曲から始まる一幕をかなりの集中力で聴いていたが、
面白かったのはそれからで、休憩時間の終わりがけに電話がかかって
きたのでそちらを優先させ、結局は三幕まで戻ってこなかった。

驚くべきはそれからで、気まぐれに帰ったのだろうと思って、
優れた二幕、三幕終盤に集中していき、カーテンコールで拍手していたら、
電話が鳴った。なんと、劇場のバーにいるという。
しかも、行ってみたら英語の勉強をしていた。

・・・謎すぎる。
最安に近い席だったとはいえ、あれだけ熱心に観ていたのに3分の2を
不意にし、帰ったと思いきや、ずっと待っている。しかも英語の勉強をして。
深淵なるロシア。帰り道は、マリインスキー劇場に行った話を聴いた。


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