4/20(木)オルガンと唐十郎

2023年4月20日 Posted in 中野note
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↑4/21(金)オルガン・プロムナード・コンサート
 400回記念スペシャルのチラシ。

今日はこの公演の準備をして過ごしました。

今年に入って勤め始めた神奈川県民ホールの小ホールには
ドイツ製のオルガンがあって、このコンサートは月に約1回弱の
ペースで行われます。この習慣は開館した1975年以来、
48年に渡って続けられてきたもので、それが明日で400回。

この定例シリーズ以外にもオルガンに関わる公演はいくつもあって
かなり驚異のペースといえます。他面、オルガンを持つということは
日常的に演奏家に弾いてもらってコンディションを維持しなければ
ならない。巨大ですが繊細な楽器でもあるようです。

そして、せっかく弾いてもらうならばお客さんにも聴いてもらいたい。
という思いが重なって400回。明日は特に豪華で、通常は1人の演奏家に
よるコンサートなのですが、4人の演奏家が揃い踏みします。

そのようなわけで、急速にオルガンに親しんでいます。
急に身近になったオルガンのある日常です。
思えば、去年たまたまイギリスにいたことはかなり役に立っています。
かなり多くのバリエーションの教会を見て、コラールにも参加したので
期せずしてキリスト教と結びついたオルガンの姿に
たくさん接してきました。


唐十郎作品の中でオルガンが登場する演目といえば、
『煉夢術-白夜の修辞学或は難破船の舵をどうするか-』です。

時計修繕を仕事にする青年が彷徨い込んだ街には高い塔があり、
そこからオルガンの音が鳴り響いている。そして実は
オルガンが聴こえる時に、この街では誰かが死んでいく、
という設定です。・・・かなり暗い。

唐さんが書いた3本目の台本です。
唐ゼミ☆では2005年初夏にこれに取り組みましたが、
その陰鬱なところ、思弁的なせりふがあまり会話にならず
モノローグ気味に展開するところに、かなり若書きの印象を受けました。

劇作を始めたばかりの唐さんが役者を得て彼らを活かすための
書き方を開発し、喜劇的に弾けまでの習作という感じです。
あと、唐さんだけでなく1960年代の日本の青年たちの、
ヨーロッパに対する強烈な憧れを感じる劇でもあります。

オルガンに少しずつ詳しくなり、響きを身近に感じ始めた今だったら、
だいぶ違った風に上演できるようにも思います。
角川の文庫にもなっているので、ちょっと読み返してみよう。


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