4/21(火)明後日のワークショップ

2020年4月21日 Posted in 中野note
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かつて、登場したてのフリクションは画期的でした。
それまで台本に間違った書き込みするのを怖れていた私に、
試行錯誤のチャンスを与えてくれました。
唐さんはブルーブラックの万年筆を愛用されていますが、
私はライトブルーのフリクションを気に入っています。


今日は明後日のワークショップのお知らせです。

狙うのは1幕中盤。
又三郎(実はエリカ)が教授を追い込み、
あと一歩のところで逆転を許してしまうプロセスに注目します。

例えば、こんなせりふ。

教授 論理と釣合はバッサリ崩れ、地獄のフタが踊っても、
   バッサリ崩れぬものがある。ちゃんとよんでも、逆さによんでも、
   それはテイタン、タンテイ、タンテイ、テイタン。

これは何でしょう?
どんな風に言ったら良いのでしょうか?


ちなみに、テイタンとは「帝國探偵社」の略。タンテイは「探偵」です。
唐さんのせりふは詠んで良し、聞いて良しの流麗さですから、
ついつい耳心地が良くなり、喋ることそのものの気持ち良さに
溺れてしまいがちです。

でも、私たちのワークショップでは、
それをそのままにしておかないことから始めます。

やっぱり、何が言いたいのか判って言いたいから、そこを追いかける。

これは要するに、
かなり追い込まれてしまった悪役「教授」が
「自分は立派で、相手より絶対に正しい。オレの立場は揺らがないんだ!」
と自らに言い聞かせ、鼓舞し、体勢を立て直す時に喋るせりふです。
形勢有利な相手に負けじと、自分を奮い立たせているわけです。

一行目などかなりユニークな言い回しですが、
端的に言って、論争に負けそうになっている様子が伝わってきます。

ここで、ちょっと筋を追いかけると、

エリカは、ようやくこの代々木のテイタンを訪ねた主目的である
ヒコーキ乗り逃げの高田三郎三曹の話題に切り出して
教授を追い込みますが、教授は自分を奮い立たせ(①)、
周囲の助けを得ながらこの危機を脱します。
するとそのやり取りを見ていた高田家の老婆は又三郎を見限る。

又三郎が女であることを白日のもとに晒すのは、
当初は身内であった老婆である、
というスリリングなシーンが展開します。

一度は追い込まれた教授と又三郎(=エリカ)の関係は完全に逆転。
エリカによる決死の挑戦。その第1回目は惨敗に終わります・・・


この、①の部分に来るのが上記の面白いせりふです。

ここらへんを実地にやってみようと思います。

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