4/22(金)悪魔の棲み家

2022年4月22日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑開演3分前。40人も入ればいっぱいの劇場。全部セットみたい。

今日は変な空間を訪ねた。
これまでも、地元民も立ち寄らないようなスペースを見つけては
突撃を繰り返してきたが、今日のは飛び切りだった。

きっかけはソプラノデュオのFair Oriana。
近所の教会で知り合った彼らが
先週のセント・バーソロミュー・ザ・グレイトに続き、
別の場所で同じプログラムをやると誘われたので、
カナダ・ウォーター近くの会場まで歩いて行ったのだ。
Albanyから歩いて30分強。

これが変な建物で、開館から50年近く経つフィルムセンターらしいのだが、
全ての空間が芝居がかっていることこの上ない。
小さな映画館あり、劇場あり、ライブラリーやカフェあり、
廊下もトイレも、時代劇に出てくるような衣装や仮面、
小道具の数々が溢れ、さらに映画のポスターが数限りなく飾ってある。
内装が内装が凝りに凝っていて少しの隙もない。

今日は空間の力に完全に圧倒された。
小さな劇場での配信主体のコンサートだったのでお客は少なく、
二人も歌い方をガラリと変えて贅沢な時間だったが、
この建物にはどうしてももう一度来たいと思った。
毎週火曜に古い映画を観るクラブをやっているらしい。

Albanyの人も知らないだろうから、誰か連れて行きたい。
それだけの魅力を持つ場所だ⑤。

しかし、興奮しながら約1時間の道を歩き、
ゴールデンチッピーでの買い食いもしながら帰宅すると、
ダイアンの意見はまるで違った。

私が見せる写真をしげしげと眺めながら、
「私はロンドンのあらゆる場所を知っているがこの場所は全く知らない。
それにこの内観の天井の低さは怪しい。きっと悪魔が棲んでいるから
気をつけろ」と、本気が冗談がよくわからない表情で言う。

彼女はかなり気になったらしくずっと写真を見ていたので、
それなら、毎週火曜に行われるフィルムクラブに行ってみようぜと
誘ったところ、「アツシはスウィーニィー・トッドを知っているか、
私はパイになるのはごめんだ」とも言っていた。

自分は必ずもうまた行くだろう。
どうやって経営が成り立っているのかよくわからないが、
とにかくすごい場所なのだ。

↓すべての廊下がこんな感じ
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