4/23(金)ネイティブ・スピーカーへの道

2021年4月23日 Posted in 中野note
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↑今日、この掲示にショックを受けました。

これは、横浜駅の近くにあるコインパーキングの料金所に
しれっと貼られていた掲示です。

これを見たとき「そりゃ無いぜ・・」と思わずつぶやいてしまいました。
本当にしれっと、事も無げに貼られていたこの通告。

そして同時に「♪さんざ遊んでころがして〜」という歌詞が去来しました。

戦後すぐ、昭和24年に歌われて大ヒットした『トンコ節』の一節。
この歌詞を唐さんはかなり好きらしく、いくつかの台本に出てきます。

代表的なのは『盲導犬』で、ヒロイン・銀杏が口ずさむ。
かつての恋人・タダハルと再開して思いをとげようとするも、
煮えきらない反応を見せるタダハルに、自分は弄ばれたのだと
被害者ぶってこの歌詞を銀杏が歌う。あれです。

話を戻すと、この駐車場は半年ほど前、
横浜駅西口から少し離れた場所にオープンしました。
ちょっと距離はありますが、渡り廊下で連結していますし、
何より990円という値段が圧倒的に魅力的でした。

それまでは、いかに安くとも、
駅周辺だと1,400円というのが最低価格でしたから、
3ケタのインパクトは強かった。

発見した時はホクホクして、以来、たびたび使うようになりました。
すると、多くの人も吸い寄せられるのでしょう。
使うたびに混み合うようになってきましたが、
さもありなんと思って愛用してきたのです。

ところが、本日に上の写真の掲示が。
上手い手です。990円でインパクトを持たせ、
皆さんがそろそろ自分に馴染んだタイミングで、冷徹な値上げ。
いきなり1,200円だそうです。けれども、やっぱり1,400円よりは
安いから、使い続けざるを得ない。
悔しいけど、やっぱりまた来るだろうな。そう思います。

まさに「♪さんざ遊んでころがして〜」なのです。

と同時に「ああ、オレは何でもかんでも唐さんの言葉が出てくるな」
とも思いました。もう完全に日常化してしまっているので、
さして考えなくも反射的に口をついて出てくる。
いわば、唐十郎語のネイディブ・スピーカーです。

こんなことを言うのは、最近、
必要に迫られて英語を勉強しているからです。
自分は英語にすごく苦手意識があって、
中学1年の初夏頃からそう思うようになり、敬遠すること四半世紀。

先頃、久々に勉強し直そうと決意したところ、
doesの読み方が分からずに衝撃を受けました。
また、ちょっと勉強し始めて確信したのは、自分は中学英語を
マスターできれば御の字だということです。
それで、だいたいは事足りるであろうと思いました。

しかし、とにかくそれらが、条件反射的にパッと出なければならない。
「彼女の目は青い」。この英語訳が間違いなく
目視して2秒以内に出てくるのが、現在の目標です。

それに比べて、唐十郎語のなんと親しみ、自分の身についていることよ。
我ながら20数年間の積み重ねは伊達ではないなと、苦笑しています。

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