4/25(土)雨が空から降れば④〜小室等さんのこと

2020年4月26日 Posted in 中野note
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↑歌う唐さんをリードする小室等さん。稲荷さんもいます!

このタイトルで書いてきたら、
最後に小室等さんについて触れないわけにはいきません。

もちろんこれは、先ごろ亡くなった別役実さんが作詞、
小室さんが作曲して歌われたヒットソングのタイトルですから。
(と、今日のお昼に劇団員と喋っていたら知らなさそうだったので、
ここに書いておきます)

小室さんと私自身のご縁はたった一度だけ、
2011年の『21世紀リサイタル』にご出演頂いた時のことでした。
唐さんの劇中歌を特集するイベントで、
唐さんご自身が歌うパート伴奏をお願いしたのです。

これまで、それこそ『唐版 風の又三郎』の安保由夫さんをはじめ、
何人もの方が唐さんの劇中歌を作曲してきました。
その草分けは、何と言っても小室さんです。

初期、60年代の唐さんの歌は、
まだ専門の作曲家が現われる前なのでヒット歌謡の替え歌が多いのですが、
いよいよ小室さんとの出会いを経て、
『少女仮面』の『時はゆくゆく』『三月三日が』
『腰巻お仙 振袖火事の巻』の『かえるが泣くから帰るなら』
『吸血姫』の『夏の海辺に行ったとき』『月がかげれば』
などが立て続けに生まれます。

ちなみに、あの『ジョン・シルバーの唄』の作曲は小室さんになのですが、
あれはイタリアの名歌手・ミルバの『リコルダ』というカンツォーネを
気に入った唐さんが🎵フンフンと歌ったハミングをもとに、
小室さんがまとめて誕生したそうで、
もう小室さんご自身にも「自分で作った」という感じがしないそうです。

それでもやっぱり、
小室さんがまとめなければあれだけのメロディは生まれないと思いますので、
私にとっては、いかにも若き日の集団創作の現場という感じがする
エピソードだと思います。


話を2011年に戻すと、
伴奏をお願いするために初めてお目にかかった小室さんは、
圧倒的な"大人"でした。

こちらは素人丸出しで、予算が無もあまり無く、
唐さんが練習するための伴奏の録音をお願いしたのは
北池袋にある、若手が練習するようなレンタルのスタジオでしたが、
嫌な顔ひとつせず、ご自身でギターを抱えてやってきて下さいました。

本番前日に実際のメンバーでリハーサルを行い、
その時が実に久しぶりの小室さんと唐さんの再会でしたが、
お世話役として緊張しながらも、充実の時間でした。
そしてリハーサルも、もちろん本番も、
伴奏を置いてどんどん先に歌いたくなってしまう唐さんに、
小室さんがピタリとつけていくのです。感動的なサポートでした。

バンドを担当してくださっていたNRQのメンバーも、
「やっぱり小室さんはすごい! 一緒にやっていて楽しい!」
と口々に言っていました。
腕利きの彼らをして、やはり小室さんは大先輩という感じがしました。

以来、初期の唐さんの戯曲に挑む時には、
とりわけ丁寧に小室さんの事務所に連絡をするようになりました。
その度に、「唐さんの関係の人は基本的に応援しますよ」という
温かな対応を受け、勇気づけられています。

また、当時、小室さんが東中野で定期的にやられていたライブで、
あの永六輔さんの生のお話を伺えたのも、
自分にとって"間に合って良かった"という特別な体験でした。

「雨の日はしょうがない」と歌う小室さん。
「何で楽日で降るんだよお」と言い続けた唐さん。

時間が経ち、80年代に共同作業した
『ジャガーの眼』のヒロインが歌う『♩私は見ていた』を口ずさむと、
お二人に共通する熱さのなかに、小室さんの温かさが聴こえてきます。

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