5/13(金)恐怖との遭遇

2022年5月13日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑人種が入り乱れて、日本の会議より華やかに感じる。
ちなみにこれは自分の報告があると知る前で、人の多さに浮かれて
撮影した。直後に追い詰められるのをまだ知らない。

昨日は木曜。
学校を終えて電話や買い物をしながらAlbanyまで歩く。
劇場直前の十字路、先週に刃傷沙汰があった場所でまたケンカだ。
ただし今回は口論のみ。捨ててある段ボールをめぐって、
商店主とホームレスが激しく言い争っていた。

捨てられたばかりの段ボールを持って行きたいホームレスを
きちんと業者に持って行かせたい商店主が咎める。
「捨てたんだろう。なぜこの段ボールがお前に必要なんだ!?」
とホームレスの男は怒鳴り散らしていた。

周囲もやきもき見ていたが、暴力沙汰にならずに済んだ。

その後オフィスに行き、Albanyでの定例会議である。
いつものように末席に座り、フンフンと半分くらいしかわからない
彼らの話を聞いていた。15:00から1時間ほどこれは行われ
(英国の会議は短い)、わからないところは後でミミに聞く、
というのがいつものやり方である。

それにしても、対面とリモートが並行して行われてきた会議への
出席者が、今日は妙に多い。4月に加わった新人スタッフが
二人いるし、繁忙期が迫っているということだろう。

あとで自己紹介しようかな、と思っていたら、
一個めのトピックが終わった後で、いきなり全員がこちらを向いた。
聞けば、自分の番だったのだ。開始時間10分前に送られた会議進行の
メールをまじまじ見ると、確かにAtsushiとある。

「We Will Be Happy Hereについて報告してみて」と言われた。
確かに、皆は忙しいので自分が一番張り付いている。
それで、渡英以来もっとも大人数の前で喋ることになった。
これが恐怖との遭遇である。ビビったが、すぐに頭を切り替えて。

We Will Be Happy Hereがどんなだったか。
学習障害を持つ参加者それぞれによって、リハーサルの内容が
どう変わったか。かなり念入りに伝え、1980年台のファミコン的
世界であったこと、その時分に小学生だった自分にはそれがよく
わかるという話をした。

演出家のレベッカの一人一人に対する真剣さには驚かされる。
真のアーティストの迫力。アーティストであるが故に狂気も感じる。
プロジェクトに厳しく、参加者に優しい。
皆さんもぜひ土曜に見て、参加者それぞれによって生まれる
世界の違いを見てください。この企画の一人への向き合い方に、
全ての人たちに開かれたメッセージがある、と伝えた。

ついでに、最近参加しているMeet Meについても話し、
初めはミミと「ミート・ミー」の区別がつかなかったことや、
参加者のシニアをお世話するどころか、むしろ英語の歌を教わり、
全員が英語の先生状態になっていることを告げた。

・・・ということで、10分以上しゃべったが、
皆は声を上げて笑ったり、ニヤニヤしながら聞いていて
それがまた自分を調子づかせた。いけなくはない。

終わった後は飲み会に誘われたので、当日券でどこかに行こうと
していたのをやめてこれに加わった。
ロミカと英国内で訪ねるべき場所について喋り、
文学少女だと分かったリヴと、イギリスの詩人や小説について話す。

それも20:00過ぎに散開となり(英国の飲み会はサクッと終わる)、
早めに家に帰って、頭が疲れたので22:00に寝た。
そして今日は、苦もなく5:00に起きることができた。

明日からダイアンが遠出するので、先日の庭の水やりに続き、
トイレ掃除の仕方をこれから教わる。

ちなみに、『腰巻おぼろ-妖鯨篇』2周目は絶好調だ。
一度目はとりとめもなく感じたせりふの中に、二度目は多くの伏線や
つながりを感じて、遥かに緊密に感じる。やってみたくなってきた。

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