5/18(水)同じくマージナルなもの

2022年5月18日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
220517zemirogu.jpg
↑みなさんよく体を鍛え、ビジュアルのセンスを磨いている人たちだった

日本でいうところの知的障害、英国では学習障害者のための企画。
高齢者のための創作企画。こういったものにレギュラーで参加できる
ようになってきた。彼らの英語は容赦ないわけだが、
話しかけられたら何とか返事できるようにもなってきた。
わからなくても、今こんなこと言いそうだな、と推測して返事する。
トンチンカンな受け答えかもしれないが、こちらにそれは分からない。
分からない側の強みってあるよな、と自分を励ましている。
開き直るところまではさすがに行かないけれど。

そんな流れの中で、LGBTの人たちが大集合する
ファッション&ダンスのイベントに行ってきた。
これもルイシャム区とAlbanyの企画なのだ。

コロナによる行動規制が多い日本からすれば
考えられないほどの密着と熱狂だった。
みんな、ここぞとばかりに思い思いの、
大概は露出度の高い格好をしてランウェイを歩き、踊り、歓声を上げる。

初めは目を丸くしたが、しばらくいると、警備員の多さに気がついた。
そういえば、入口のチェックもかなり厳しかった。
チケットはもちろん、荷物も。サイトを見れば、
犯罪行為する人はつまみ出しますよ、と強調してある。
これを見てわかってきた。

彼らは強面に見られがちだ。
旧世代からすると鼻じらむようなイベントかもしれない。
けれど、よく考えてみると、彼らはなかなか苦労多き人生を歩んで
きたのかも知れない。自分の好みをに気づくのに時間がかかったり、
思いを打ち明けるのにハードルがあったかも知れない。

そして、それを素直に発露できる場所に行こうとすると、
どうしてもそこは都心であり、ドラッグや犯罪に近づいていくことに
なりかねない。誰だってそんなのは怖い。
そんな危険に自ら近づきたい人はいない。

だから、公共の仕事で安全性を確保することが大事なのだ。
格好は奇抜に見えたとしても、それは趣味の問題だから、
内面が暴力的だということには全くならない。

ところで、公共の仕事というものは、どこかソフトに
行儀よくなってしまいがちだが、このイベントにはそんな要素は
微塵もなかった。一見するといかがわしい。それが彼らを存分に
燃焼させる。けれど、安全である。健全である。
良いイベントだと感心した。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)