5/19(水)映像を検証する

2021年5月19日 Posted in 中野note
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↑モニターでなく、スクリーン&プロジェクターでチェックします。

『唐版 風の又三郎』に再び挑むために、準備を進めています。

去年の段階では、
来年には日常が回復するだろうという見通しもありましたが、
残念ながら演劇の公演は、今もいつ中止になるともしれない状態にあります。

ワクチンの普及が待たれるのは当然としても、
変異株の存在がある以上、そのワクチンが絶対とも言えず、
さらに私たちは経験則や慣れによって、
初めての緊急事態宣言時のような徹底した自粛は事実上もう不可能ですから、
いつ感染拡大→公演が危うい、というのはかえって読みづらくなりました。

公演を組むことは、つくづくギャンブルです。

約100年前に人類がスペイン風邪の克服に要した時間、
3年という期間は、科学や医療が進化した現在でも、
あまり変わりがないのかと思ったりましす。

が、だからこそ愚直な準備が重要と考えて日々を過ごしています。
公演直前や公演中にいつストップがかかるとも知れないけれど、
とにかく前進しないことには始まらない。

そんなことを考えながら、数日前、
劇団の倉庫件ミーティングスペースであるHandilaboで
去年の公演の映像チェックをして、改良点を洗い出しました。

セットや衣裳の工夫のしどころ、
特に配色などはかなり改善のアイディアを得ました。
役やせりふの捉え方に対しても、具体的に映像を止めながら検証する。

実際の舞台を映像をもとに確かめることに、迷いがないわけではありません。
舞台は生モノですし「離見の見」という言葉もある。
映像には記録できない妙味や、俳優が演じながら自分を客観的に
感じ取る能力が衰えてしまうのではないかとも思いますが、
数年前から、時折この方法も使うようにしています。

結論としては、そういうテクノロジーがある以上、
ケースバイケースで導入することもありというのが私の考えです。

スポーツ選手はずっと前から、自らのフォームを映像で記録しながら
それを擦り切れるほどに見て検証してきました。

また音楽家の中には、過去に数多くあるレコードやCDを皆で聴き、
その上で討議を重ねながら自分たちのスタイルを打ち立てる人々もいます。
特に後者は、初めてそんなやり方があると知った時には驚きました。
50人規模くらいの小編成オーケストラで、そんなことをしているらしいのです。

その場に止まらず、現状を打破するためならば方法を選ばない。
このエピソードにはそんな気迫を感じます。

私も、5月中にもう一編、これをやろうと計画しています。

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