5/23(火)『鐵假面』研究の日々
2023年5月23日 Posted in 中野note
唐ゼミ☆ではこの演目を2007年にも上演していますが、
当時を知っているのはすでに椎野と齋藤のみ。
台本の下地となる情報を伝えながら、まずは知識を入れる段階。
それを経て、台本を読める段階に進もうと、
地道な本読みをオンラインで行っています。
『少年王者』がどんな紙芝居か。
『ジロリンタン』がどんなラジオ番組だったか。
紙芝居屋とは。せんべいソースとは。『子連れ狼』とは。
そんな話をクリアして、知らないことが無くなったゾ!
という段階になれば、せりふの端々に振り回されず、
大掴みに登場人物が何を言おうとしているかが見えてきます。
2007年にこの芝居を上演した時、
自分には生活は人生に対する体験が足りませんでした。
だから、約50年前に大阪千日前で起こった火事の衝撃とか、
被害に遭った人たち、その家族たちのその後など、
いまに比べてまったく想像が及んでいなかったのだと
改めてこの台本を読みながら痛感しています。
彼らの人生が沁みるように伝わって、
そこから、唐さん一流の喜劇的な飛躍がある。
泣き笑いというか、笑いがなければやっていられないのが昂じて、
大哄笑の世界が現れる。そういう舞台を夢見ています。
津内口や林麻子、ちろ、椎野らの劇団員に加えて、
昨日は『唐版 風の又三郎』に出てくれた井手晋之介君も来てくれました。
たった一度かかわった唐十郎作品に惹かれての参加がうれしい。
この面白さを共有して、さらに体現できる人たちを
もっともっと世の中にはびこらせたいと思っています。
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