5/21(金)これでいいのか!-「新劇」まさかの1冊100円以下!

2021年5月21日 Posted in 中野note
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↑冒頭二人の会話が噛み合うことなど、想像もできません

最近、1980年代に書かれた劇を研究しています。
きっかけは、毎月第一月曜の早朝に若葉町ウォーフで行っている
テツヤさんとの配信。
あの番組でテツヤさんから、おもしろい台本を紹介されたのです。

自分の中にはいつも唐十郎作品の数々が渦巻いているけれど、
「他の作品もやるの(できるの)?」と訊かれれば、
これはもう売られたケンカと同じこと。
それに、自分は唐十郎作品はすべての道に通じると確信して
ここまできたので、「もちろん!」と応えて勉強の日々が始まりました。

やり方はいつも唐さんの劇に取り組む方法と全く同じで、
まずは上演台本を作る。雑誌・単行本・全集など。
とにかく活字化されたすべての版を当たって舐めるように
それぞれの差を検証。そこに作者の試行錯誤の痕跡を嗅ぎ取ろう
というところから他流試合が始まりました。
ありがたいことに、劇団員もちょっと手伝ってくれたり。

その過程でヤフオクを眺めていたところ、凄まじい出物に遭遇しました。
1980年代の雑誌「新劇」合計61冊、この紛れもない貴重品が、
送料含めてなんと5,000円ちょっとで落札。

届いてみて、全てをつぶさに眺めながら、これが一冊100円以下か、
そう思うと申し訳ない気持ちになります。

今回のメインターゲットは唐さんだけではありませんでしたが、
例えば唐十郎に関して、『住み込みの女』『あるタップダンサーの物語』
『ご注意あそばせ』という単行本未掲載戯曲、それに『ジャガーの眼』
がありました。単行本になっている『ジャガーの眼』だって、
いずれ違いがあるかどうか根を詰めて研究せねばならない!
そう思わずにはいられません。

他にも、雑誌特有の時事ネタに面白そうなものがたくさん。
特に、パトリス・シェローと唐さんを含む座談などは、
そんな組み合わせがあり得るのか!と表紙を見ただけで仰天しました。
おそらく、肩に力が入りまくっていたであろう唐さんと、
バイロイトでの『ニーベルンゲンリング』を経たシェローが
どんな会話を繰り広げたのか。その噛み合わなさに期待が膨らみます。

ありがたく一冊100円以下でオレの手元にやってきたこれら、
これから一冊一冊を巡って現在に役立てたいと決意しています。

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