5/28(木)ミラクル・レフティ

2020年5月28日 Posted in 中野note

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↑このおばあさんも"左利き"ですね。どっちが被害者かわからない絵。


一昨日は即興で出演したライブ配信の話題でしたが、

今日はまた、右手のケガの話です。


ここ2日ばかり、上手い躱し方を身に付けたのか。

痛みがそれほど気にならなりました。

極力、左手ばかり使うように工夫しています。

これがまた何だか自分が左利きになったような気がして、悪くない。


"左利き"への憧れが、自分にはあります。

私は父母姉との4人家族で、全員が右利きの血液型A型という

典型的な日本人家庭で生まれ育ちました。

ですから、幼い頃から私には特別そうに見える左利きへの憧れがある。

この憧れ自体が極めて右利き的だと自覚しながらも、

やっぱり素敵だと思ってしまいます。


「わたしの彼は左利き」だからこそ歌になるのですし、

これが右利きではサマになりません。

中学校時代に流行ったスーパーファミコンの『ロマンシング・サガ』には

「レフトハンドソード」という最強の武器まで登場。

まさに左選ばれし者のみが使いこなすことができる。


週刊少年サンデーで連載されていた野球マンガ『MAJOR』では、

中学時代まで右投げだった主人公が投げ込みにより肩を壊し、

血の滲むような努力の果てに左投げを体得、

球速160キロ、しかもジャイロボールを投げる復活を遂げます。


この特別感、まさに"レフティ"に漂う神秘のなせる術と言えましょう。


唐さんの中で、"左利き"に注目した演目といえば

ズバリ2001年春に初演された『闇の左手』です。

ヒロインの名前が実にふるっていて、「ギッチョ」という。

自らが製作した義手を自殺志願の人々に貸し出し、

リストカットの代行をさせるという哀しい商売をしている職人です。


別に、"左巻き"に注目したものもあります。

ホラ、頭のつむじが左巻きだと"天才"とか云うじゃないですか。

2008年春初演の『夕坂童子』の劇中歌には"左巻き"に引っ掛けて

小道具の「アカガオ」に向けて唄うこんな歌詞が出てきます。

 

「時の針にさからいながら いつも左に巻いていく

 そのつるは俺の櫂 だけど俺にもわからない......」

 

こうして並べてみると、唐さんが"左利き"や"左巻き"に託すものは、

単に変わっている、才気に優れていることではなくて、どこか不器用で、

ちょっと普通の人たちからはこぼれ落ちるような存在であることもわかります。


それでも、自分は断然憧れるし、だんだんと即席の左利きを楽しんでいます。

回復の兆しも見えましたから、ケガの話はこれでおしまい。 


今日は良いワークショップが出来ましたから、また報告します。


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