5/3(火)先週末から週明けのロンドン
↑終了後の稽古場。チェンバロが見える。
これをロンドンの都心で書いている。
飲食店はどこも高いこの街では、屋内にフリーで座れる場所は貴重だ。
ナショナルギャラリーの横にある教会セント・マーティン・イン・ザ・
フィールズの地下は落ち着いてデスクワークができる場所だ。
それにこの教会はイベントに大変熱心で、
3月にはここでBBCシンガーズの『ディドーとエネアス』を聴いた。
今日は地下1階のテーブルに陣取ったところ、地下2階に稽古場が
あるのを発見した。このゼミログを書いているすぐ横では、
ガラス1枚を隔てて木曜に上演予定のヘンデルのオペラ
『セルセ』の稽古が行われている。
主役級の歌手が、出番の合間にコーヒー片手に目の前のテーブルで
休憩し、電話をし、くつろいだ後、また稽古に戻っていく。
稽古場の中はは紀元前5世紀頃のペルシャ。
さすがヘンデルの地元。これがロンドンだ。
4/29(金)夜は内田光子さんのリサイタルに行ったが、苦しかった。
弱音と不協和音が連続する現代作曲家の曲に対し、周囲に沢山いた
中国人旅行者たちが騒々し過ぎたのだ。
まず、私の席に言ったところ、先に座っている人がいて閉口。
チケットを示してどいてもらった。
隣の中年夫婦はひっきりなしにお互いの体をまさぐり合うか、
姿勢悪く寝ているかだった。一方、当日パンフがオンライン配布なので、
ケータイの明るさを最弱にして読みながら聴いていたら、
二席隣のおじさんが「目に入るから電話を閉じろ」という・・・
苦いコンサートだった。
4/30(土)はサウジアラビア人の友人アジードと最後の晩餐。
その前にロンドン・セントラル・モスクに一緒に行こうと約束したが、
こちらが着いたところで電話があり「間に合わない!」と。
後でレストランに着いて分ったが、この日、彼は半年間お世話になった
ホストマザーを連れてハロッズに行き、お礼に高級なアラビアの香水を
買っていたのだ。彼が案内してくれた店でした三人での食事は面白かった。
予定の組み方も、案内の仕方も、メニューの頼み方も、
18歳の彼のアテンドはものすごく未熟だ。
でも懸命で、こちらに自国の食べ物や感謝を伝えたい気持ちが伝わってきた。
同じアラビア圏のトルコ人留学生たちと、友達になってはケンカ別れを
繰り返していた彼。彼の目標である良い医者になって欲しいし、
彼とは再会の可能性があると思う。何年後かに日本を案内できたら嬉しい。
一人で満喫したモスクでは、イスラム教の合理性がよくわかって
楽しかったし、食事も美味しかった。久々に沢山お米を食べた。
アジードに幸多からんことを!
5/1(日)は唐ゼミ☆本読みWSをしてキングスプレイスに出かけた。
ピーター・フィッシャー率いるチェンバー・アンサンブル・オブ・
ロンドンを聴くためだが、キングス・クロス周辺の文化施設は
綺麗すぎて自分はどうも馴染めない。演奏会は会心の面白さだった。
ピーターはフィルハーモニア管のツアーに同行するため、
夜中にヘルシンキに向かった。激務だ。
5/2(月)。銀行が閉まるバンクホリデー。メーデーだ。
朝から『腰巻おぼろ 妖鯨篇』と格闘して、へばり気味だが、
昼過ぎにはウィグモアでガーシュインを特集するコンサートを聴いた。
その後、今後の遠出に備えて電車に切符を買いに行った。
オンラインでの申し込みが基本だが、なぜかクレジットカードが
はじかれる。そこで現地購入。
時間の無駄とも思うが自分はこういうのが好きだ。
劇や音楽の公演も、できればボックスオフィスで買って
紙チケットが欲しい。スタッフに質問したりすることも含めて、
時間に余裕があるからできる贅沢だと思う。
そして都心を歩き回り、今、冒頭の教会にいる。
今日、ダイアンは大金持ちの友人に誘われて、
ロイヤル・オペラ・ハウスでディナー付きボックスシートだそうだ。
出がけにストールの色やバッグの色について意見を求められたが
明らかに派手な方を選んで欲しそうだったので、そちらを指さしたら
喜んでいた。
他方、土曜未明にグリニッジ駅前のバーで殺人があったそうだ。
酔っ払った30歳前後の友人二人がケンカをして、一人が刺されて
亡くなり、一人は警察に捕まった。あまりにあっけない。
これがロンドンだ。
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