5/5(祝金)今日は『秘密の花園』のために

2023年5月 5日 Posted in 中野note
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端午の節句です。
用事があって近所を歩き回り、それから都内にも出ましたが、
道々目にする和菓子屋にお客が殺到していました。
柏餅。皆さんがあれを食べようと躍起になっているのを見て、
"日本"は私たちの中にまだ生きているな、と思います。

私は今日は混んでいるので行きません。
来客用に和菓子を用意していく中で、今年はすでに二度、
柏餅を食べました。殊に味噌あんが好きなのですが、
そのようなわけで満ち足りています。
今年に三度目があるにしても、明日以降でいいや。

他方、唐十郎研究において今日はより重要な意味をはらんだ日です。

今年に入ってから『秘密の花園』について本読みWSをやりましたが、
あの芝居に出てくる数々の小道具の中で、突出して重要なのが
菖蒲の葉です。1幕には、端午の節句の銭湯で子どもたちが
我先にと立派な菖蒲の葉を奪い合う描写も出てきます。

下町を体感的に知り尽くした唐さんの景色です。

これまでは漫然としてきましたが、
ああして台本に取り組むと、俄然、実際の銭湯が
気になり始めました。果たして、あの大きなお風呂に
満々と菖蒲の葉が浮いているのかどうか。

そこで、実際に行ってきました。
お馴染みのカフェ・バー・タケウチにも用があったので、
まずは吉原に行き、それから『秘密の花園』の舞台、
日暮里の周辺へ。外国人観光客の多い谷中に朝日湯という
銭湯があって、電話したら、ちゃんと菖蒲の葉を浮かべている
ということでした。

果たして、実際に菖蒲の葉はありました。
もちろん、唐さんが書いたほどの量はありませんでしたが。
銭湯の中ゆえにスマホで写真を撮ることはできないものの、
しっかりと目に焼き付けました。こうして、またひとつ
せりふの中身に説得力が持たせられると思います。
役者にアドバイスする時にも、実感が伝えられようというものです。

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