5/7(金)自らの勝負弱さについて
2021年5月 7日 Posted in 中野note
↑ラーメン×2、焼きそば・ニラレバ定食×1ずつの結果がこれ
私の住むマンションの一階には中華料理屋があって、よく出前を取ります。
ここのお店とは15年くらいの縁で、初め、自分はもっと離れた
場所に住んで、横浜駅までの道すがらに寄っていました。
それが、後にお店の上にある部屋に住むことになり、
当時「上に引っ越してきました」と伝えに行ったら、ママは笑っていました。
今では、うちの息子と、この中華料理屋さんのお孫さんは同級生。
Uber eatsが無い頃から、私たちは困ればすぐに電話をして、
早ければ10分後には、好物の春巻きや焼きそばなんかが届く。
そういう生活を送ってきました。
すると必然、上の写真のような事態が出来する。
私は、自分は勝負弱い方だと思っています。
こういう状態になると、得てして悲劇が起きるものだという方向に、
何故か吸い寄せられる傾向にある。
食器を持って階段を降りることくらい、普段は何でもありませんが、
そういう時に限って、当たり前にできるはずのことがグラつき、
惨事が起きる。
ある年齢になって、そういう性質を自覚してからは、
かなり気合を入れて、侮らないように、油断しないように、
率先して緊張し、用心するようになったので、失敗は少なくなりました。
それには、もう一つ。
そういう自分を自覚するに影響を受けた小説があって、
ドストエフスキーの『白痴』の主人公、レフ・ムイシュキン公爵が、
まさにそういう人なんですね。
あの長編のかなり終盤に、彼がパーティーに参加するくだりがある。
その会場には、大変に高価な壺が飾られていて、公爵のことをよく知る
何人かは壺と彼の組み合わせに不吉な予感を覚えるのですが、
本人は笑って取り合わない。しかし、やがて宴もたけなわ、
当初の心配など皆もすっかり忘れてしまった時に、
その微かな不安は「ガッシャーン!」と的中する。
初めて読んだ時、オレと一緒じゃないか!と思いました。
こういうの、私はかなり高確率で割りがち。身につまされた。
唐さんも『白痴』や「ムイシュキン公爵」という主人公が好きで、
折に触れて、二人であの小説のどこが面白いかという話をしてきました。
唐さんには、自分には計り知れない共感があるように思えますが、
自分にはあの場面がグッときます。
そんなことも思い出しつつ、気をつけて、気をつけて、階段を踏みしめます。
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