6/15(火)ポーの小説を読む

2021年6月15日 Posted in 中野note
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↑映画『海ほおずき』のビジュアル。この作品を観れば、
90年代唐作品の重要登場人物「灰田」誕生の経緯を知ることができます。

久々に小説を読みました。
ほんの短いものですが、読むことができました。
エドガー・アラン・ポーの『赤い死の舞踏会』という作品です。

一昨日、NPO法人ドリームエナジープロジェクトの特別リハーサルが
終わりました。最後の追い込み稽古を延期騒動で失ったことは
作品創作的に痛かったのですが、それでも、本番直前の稽古に
演者・スタッフのみんなが応えてくれました。
客席にわずかにお迎えすることができた関係者のリアクションに
助けれて、まさに本番通り、約2時間弱をやりきりました。

そのために日曜の晩はけっこうくたびれていたのですが、
昨日、月曜日の朝には『唐版 風の又三郎』の本読みをzoomでやり、
徐々に持ち直しました。新しく座組みに加わるメンバーを中心に
劇の世界を追いかけていると、エンジンがかかります。

近く、『シーボルト父子伝』という公演の稽古も始まるし、
太田省吾さん作の二人芝居『棲家』公演のための準備も本格化します。

こうなると、資料ばかり読むことになるのでちょっと苦しい。
何だか心に余裕が無い。そこで本屋に寄ったところ、
吉田健一訳の文庫新刊、未読のポーのアンソロジーを発見して、
これなら短時間で気になるものだけ読めると思いました。

表題の『赤い死の舞踏会』という作品はペストを扱っていますから、
コロナ禍で流行っている、感染症を扱った作品のリバイバルです。

個人的には、カミュの『ペスト』より、
『オイディプス王』と『デカメロン』がパンデミック文学の双璧です。

それで、表題作をものを中心にいくつか読み終えました。
自分はやはり物語やお話が好きで、爽快な気分になります。
一方、久しぶりにポーを読んで、いつだったか、
唐さんと短編『うずまき』について話したことも思い出しました。

唐さんは「うずまき」という訳題以上に
「メイルストロム」という言葉が好きなのですが
あの物語は、船がうずまきに巻き込まれて難破する際、
樽の中に身を潜めて九死に一生を得た男を描いています。
男は命を取り留めたものの、樽の中で過ごした数時間の恐怖に
髪の毛が真っ白になってしまう。

唐さんの主人公には「田口」という姓の青年が頻出しますが、
90年代になると、これが「灰田」というキャラクターに変化します。
「灰田は、薬物でが真っ白になってしまった田口なんだ」
そう唐さんは力説していました。さらに、ポー「うずまき」にも
影響を受けたと。

自分が初めて観た唐さんの芝居は『眠り草』という演目でした。
今から思えば、すでに唐さんの中でも「灰田」ブームは終焉して
主人公はもとの「田口」に戻っていましたが、どこかに名残りも
あったように記憶しています。

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