6/15(月)唐さんに聞いた若き日の土方さん
2020年6月15日 Posted in 中野note
劇団ではない仕事の絡みで、谷崎潤一郎を読んでいます。
小説やエッセイが有名ですが、芝居の台本も書いています。
昔、中公文庫から出ていた「潤一郎ラビリンス」でまとめて読んで以来、
本当に久しぶりの谷崎体験です。
ところで、
唐さんはこの作家を「大谷崎(おおたにざき)」と呼びます。
『東海道四谷怪談』で有名な四世の鶴屋南北を
「大南北(だいなんぼく)」と言ったりしますが、
あれと同じようなものだと教わりました。
唐さんによれば、暗黒舞踏の土方巽さんは若い頃に小説家を志し、
特にこの「大谷崎」に憧れたのだそうです。
さらに、その憧れのあまり、得意の身体能力を生かして
鎌倉にあった谷崎邸の屋根の上によじ登り、
一家の様子を覗き込んだことすらあるそうです。
情熱のあまり屋根の上へとよじ登った軽やかな動き、
じっと覗き見を続けるその所作などはすでに舞踏であったに違いない。
そう唐さんはおっしゃっていました。
土方さんについて唐さんから伺った話ですから、真偽は藪の中です。
しかし、恐ろしいのは、誰も見た者がいない往時の土方さんの様子が、
何となしに私にも想像できてしまうことです。
・・・といったエピソードが邪魔をして、
なかなか目の前の文章が入ってきません。
早く読んでしまわなければならないのですが・・・
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