6/21(水)こんな写真が出てきた
2023年6月21日 Posted in 中野note
↑唐十郎流のおもしろ発言が飛び出し、みんな笑っています。
そういう瞬間を撮影してもらったものです(撮影:平早勉さん)
2009年7月に三田の建築会館の中庭で行われたイベントです。
あの広場に私たちは青テントを張って、その中で『恋と蒲団』を
上演しました。田山花袋の私小説『蒲団』に唐さんがインスパイア
された、愛すべき短編です。
1976年に初演された時には、
一言もせりふを発しない聾者のヒロイン役を日本舞踊家の
女性が演じたために、途中に踊りのシーンも挿入され、
1時間半ほどのステージが渋谷にあったジャンジャンで
繰り広げられたのだそうです。
私たちのバージョンではストレートに演じて、
上演時間は40分ほど。それでいて、独自の世界観と
見応えによる量感のある良い上演ができたと自負していました。
休憩を挟んでシンポジウム、
劇場建築に関わっている建築家さんたち、
唐さんや室井さんと一緒に「劇空間の理想」というテーマで
語り合いました。
この頃、30歳に手が届きそうになった自分は、
やっと人前に出てしゃべることに慣れ始め、
徐々にテキトーになっていったように思います。
あんまりしゃっちょこばらず、相手の話を聞いて
反応できるようになってきました。
このすぐ後には開国博Y150を控え、
秋には『下谷万年町物語』をやろうと緊張して過ごしていました。
大仕事を前に、ちょっと軽めで、けれども意味深長な
『恋と蒲団』をやって、私たちはだんだん軽妙さに
開眼していったように思います。
同じ年の10月に、北仲スクールも始まろうとしていました。
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