6/23(木)小山くんを待ちながら、ふと訪れる学生時代
明日はいよいよ室井先生の横浜追悼会です。
最後の最後で、映像作家の小山祥平くんが頑張ってくれています。
資料の編集は大変な作業ですが、追い込みをかける彼を待ちながら
チェックを繰り返しています。
そして、気分が学部生時代のようになってしまった結果、
ついに唐さん関係の本を読み始めてしまいました。
『駈ける男の横顔-大庭みな子対談集(中央公論新社1984.6刊 )』です。
これは実は、ずいぶん前に買って読まずにきた本です。
何人もの著名な人たちが男女関係をテーマに平岩さんに
インタビューを受ける中で、唐さんもその一角を占めています。
冒頭で『佐川君からの手紙』に触れていますから、
1980年代半ばの初出です。前々から読もう読もうと思いながら
流されてきたものを、小山くんの作業を待ちながら
やっと通読することになりました。
唐さんとの対談部分はわずか20ページですが、侮れない本でした。
『佐川君からの手紙』以上に、これは『秘密の花園』の
創作の秘密が明かされているという点で、第一級の資料です。
そこには、
唐さんの従兄弟の名が「アキヨシ」であること(主人公そのまま!)
アキヨシさんは夫と子どものいるキャバレーの女に入れあげたこと
(子どもがいることの他は、そのまま!)
肉体関係は無いのに貢いでいたこと(そのまま!)
が明かされていました。
また、実在のアキヨシさんは、
当の子どもの子守りさえしたそうなのです。
そして、多くの親戚が彼を止めとうとしが頑として
彼女との関係を貫いたこと。それでいて、2年が経った頃に
アキヨシさんにも気持ちの変化が生じ、
芝居と同じように関西への転勤を申し出たところ、
その女性からは「あ、そう」のひと言で片付けられてしまったことが
つづられていました。(劇とは正反対!)
唐さんはそこから、
あの、トイレに行って首を吊ってしまうヒロイン・いちよを、
実際とは反対の男女関係の成り行きを構想したらしいのです。
面白いのは、本物のアキヨシさんが子守りまでしていたことで、
ここに「ねんねこ男」「いちよの夫・大貫」の要素が含まれているのを
特に面白く読みました。
嗚呼、学びの時間よ!
小山くん、もう一息だ。ガンバレ!
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