6/25(金)プラトンと軽演劇
↑校舎は自然に囲まれて、創作のための砦のような感じでした
今日は名古屋に出張でした。
2018年12月に名古屋造形大学の依頼で行った
野外舞台『世界・都市・三間四方』のリニューアル公演を、
7/30に行うことになったためです。
この時、私は、構成・演出・舞台監督・出演までこなす
佐藤信さんの助手をしました。
この仕事のおおもとは、かつて横浜国大の先生であり、
現在は名古屋造形大の学長をされている建築家
山本理顕先生の発案によります。
同大学は、間も無く名古屋市の北にある小牧市から校舎移転する。
ついては、都市の中で大学の役割を考え、移転を告知するための
イベントを行っている。その一つを、一緒に思案してくれないか、
という相談でした。
それが、佐藤信さんにゲストをお願いし、
せっかく信さんならば、と催しが野外舞台化していったことから、
他にはないイベントになっていった。
面白いのは、取り上げる題材が、
古代ギリシャの哲学者プラトンであることです。
ハンナ・アレントを愛好する理顕先生は、
彼女が現代政治にはびこる悪しき権力構造の源を象徴するものとして
言及しているプラトンの対話編『ポリティコス(政治家)』
を取り上げました。
これを題材に野外舞台をやってみよう!
そういう流れになったのです。
初演は、名古屋市内にある東別院の境内にて行われました。
プラトンを題材に野外舞台を行う。
自分は、久々に室井先生と過ごしていた時のことを思い出しました。
こんな酔狂なイベント、採算に関わる劇場や企業では、
絶対に無理な組み立てです。
だからこそ、大学がやる意味がある。
室井先生に守られ、けしかけられながら、
大学だからこそできる企画、
大学でしかできない企画を追究した結果、
トラック演劇、野外劇も、「大唐十郎展」だって行うことができた。
この企画もまた、そういう感じがしたのです。
果たして、プラトンの訳文の難解さは、
信さんの手腕によってナンセンスでコミカルな軽演劇になっています。
ちょうど、難解そうに見えるベケットの劇が
演じられる役者によって笑えてしまう。あんな感じ。
本当に知的なものは、知的を通り越してユーモアにいきつくことを、
自分は唐さんからも教わりました。
『特権的肉体論』に出てくる軽演劇役者ミトキンに哲学者の姿を発見する。
そういうセンスが、自分の中に活きています。
本番は7/30(土)の夜。
チラシができたら、またお知らせします。
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