6/29(月)浅草で公演していた頃

2020年6月29日 Posted in 中野note
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↑初めて浅草で公演した時には、近所の商店が提灯を出してくださいました。
こういう習慣も、この時に初めて教わったのです。

6月も終わりです。
唐ゼミ☆のテント公演は暑く、また寒い時期に行われると
お客さんに言われたことがあります。
もうちょっと観やすい時期にやってよ、ということだったのですが
いつの頃からか制作ペースがそうなってしまい、
6月末〜7月、10月末〜11月というのが定番でした。

今朝の蒸し暑さで思い出したのですが、
ちょうど今頃はいつもテントの中にいて、常に蚊との闘いです。
浅草にいた5年間は、寝苦しいテント番が明けて劇団員たちがやってくると、
近くの観音湯によく行きました。

他の銭湯はだいたい午後3時から開業するのですが、
あそこだけは、何故か午前6時に開いて夕方には閉まるのです。

初め、強面だった近所のテキヤさんは、
ここでの裸の付き合いが生まれると急に親しく話しかけてくれるようになり、
交流が生まれました。騒音で迷惑をかけているので招待しますよ、
と伝えても、何だか恥ずかしがって芝居は観にこないのですが、
テントを立てたり、お客さんが集まって開演する様子を、
外からタバコを吸いながら眺めていました。

何年かすると、その人は引っ越して、
住んでいた家はコインパーキングになってしまいましたが、
銭湯を「観音さまのお湯」と言っていたあのおじさんの丁寧な物言いが
耳に残っています。見た目こそ強面だけれど、浅草寺の境内に向かって
丁寧に手を合わせる。折り目正しさを持った人でした。

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