6/30(木)パレストリーナを聴く

2022年6月30日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑終了後に、客席から後方のオルガンと合唱スペースを眺める。
お香の香り、水とパンを口にする仕掛けも含め、五感を総動員させて
立ち会う者を巻き込むスペクタクルが展開する。おそるべき装置だ!

お金をかけない愉しみを覚えてきている。
月に一度は遠出をしたい。場合によっては二度行く。
どうしてもお金がかかるから、温存しておかなければならない。

しかし、かといってAlbanyでの用事を終えてじっとしていたのでは
つまらない。何より、ロンドンにいる意味がない。
そういう時、教会の催しは良い。
セレモニーは当然ながら無料。
建築的にも風習的にも面白く、何より珍しい音楽が聴ける。

昨日は再び、ワーグナーの達人指揮者、
レジネルド・グッドオールが働いたという
聖アルバン・マーティル・ホルボーンに行ってきた。
通例は日曜朝に行われるミサだが、昨日は水曜の夜にも行われたのだ。

初めて、パレストリーナという作曲家の合唱曲を聴いた。
カソリック音楽の父と呼ばれる16世紀イタリアの作曲家だ。
彼は自身の曲もさることながら、ハンス・プフィッツナーという
19〜20世紀の作曲家がつくった、その名も『パレストリーナ』
というオペラで有名だ。

それで、大元のパレストリーナ自身の曲もCDで聴いたことが
あったけれど、いまいちピンと来なかったので生で聴きたかったのだ。

まず、この教会の音響的に優れていることに唸らされる。
前回はオルガニストの練習に立ち会って感心したが、
伴奏にかぶせて数人の合唱が増大されて空間を満たす。

ちなみに、演奏や合唱はすべて客席後方のバルコニーで行われ、
聴くものは降り注ぐサラウンドを浴びながら、向き合うのは
神父様、その向こうにいる神様のみ、という格好だ。
素晴らしく良く演出されていて、しかもこの教会は特に
飛び抜けている。

ラテン語もイタリア語もよく分からないが、
こういう反響の中、幾つもの声が重なっても歌詞が聴き取り易い
よう工夫したのが、パレストリーナの功績だそうだ。

すべての曲は、セレモニーの進行と完全に一体化しており、
説教や聖書の朗読、いろいろと取り決められた所作ごとが目の前で
繰り広げられるなか、時に伴奏になり、時にメインになりながら
歌われ、演奏されていった。要するに「作品」ではない。

家に帰り、早速に今日聴いた合唱のCDを買った。
一回、生で聴けば、録音もそれぞれの違いがよく分かって面白くなる。
こうして、知っている曲が増えるのは楽しい。

アマゾンUKを使えば、CDも600円くらいで手に入る。
教会は数知れず、各地にある。宝の山だ。

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