6/7(火)立体駐車場にて
↑向こうの方にグランドピアノが見える。天井が低い!
先日、ピーター・フィッシャーに誘われて面白い催しを見た。
会場はペッカム。なかなかガラの悪い場所で、語学学校の同級生は
この街でケータイを擦られた。駅前の歩道はゴミの散乱がすごい。
それで、迷いながらフラフラとナビを頼りに進んだら、
ゲームセンターみたいな建物の裏手にたどり着いた。
名門フィルハーモニア管がこんなところでやるか!
っていう場所で、立体駐車場の上の方でたった1時間の
コンサートをやるという。
どうせ客は少ないだろうと舐めきって受付に行ったら
完売だと言われて返り討ちに遭い。しょげていたところを
ピーターのショートメールが助けてくれた。
これを見せろ!と。
で、スマホのモニター見せたら、
仕方ないなあと正価で入れてくれた。ああ、友よ!
入っていってのけぞった。
こんなんで満席って頭おかしいんじゃないか、と。
どんどん入れりゃ、いくらでも入るような隙間がいっぱいあって
演奏が始まってからも壁が吹き抜けてるから、ノイズだらけ。
近所を通る国鉄の軋みはすごいし、周囲のゲームセンターの放送も
元気よくなだれ込んでくる。
一方、肝心のフィルハーモニア管は、
大男だったら頭擦っちゃうんじゃないかという低い天井の空間で
ノイジーなスクリャービンを2曲弾いた。
『法悦の詩』『プロメテウス』という、
どっちも官能性充分、ノイズも充分という曲なので、
周囲の雑音と妙にマッチしちゃって、後ろの方の聴衆はみんな
ケータイかざして聴いてるし。心から堪能した。
まざまざ思い出したのは、
自分の青テントの舞台を後ろの方から眺めているあの感覚。
同時に、オレたちはいつも周囲のノイズにハラハラしてたけど、
案外と観客は平気なもんだって気づいて、開き直りも含めた
無頼な気持ちになった。
こんな感じでここれまでやって来たし、
我ながらやっぱり好きだなあという確認。
他方、こういうのは忘れ難くて最高だけど、
一回性のイベントで処理されちゃうから、
本心からやりたいこっちと、作品を評価するラインに乗せた公演、
両方やらなきゃならんのだあということをこのオケから教わりました。
周囲のノイズに負けないために音圧を強くして、
反響しすぎる空間に対処するため、アーティキュレーションを
クッキリ。彼らの腕前もいつもより分かった公演だった。
音楽について、これは2度と無い経験だろうなと思う。
またテントを自分でやって味わおう。
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