7/17(金)「ふんどし」の可能性
2020年7月17日 Posted in 中野note
↑2019年に行った『ジョン・シルバー三部作一挙上演』より
帝國探偵社の面々がふんどし姿で暴れ回る場面があります。
メンバーは教授・乱腐・珍腐・淫腐の四人。
元自衛官たちは軍歌を口ずさみながら、
自らがゼロ戦になったかのごとく両手を翼のかたちに広げて飛び跳ねます。
「♪ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ」
初演時、これは唐さんをして自信満々のシーンで、
観客にウケにウケ、劇場全体がどよめいたそうです。
それには秘密の工夫もあって、ただでさえ面白いこのくだり、
唐さんは衣裳のふんどしをわざと緩めにしめてステージに突撃し、
飛び跳ねる度に股間がチラつくという邪道なワザまで駆使したそうです。
そりゃウケるわ。
今後、唐ゼミ☆もこの線を踏むかどうかは分かりませんが、
私たちにとって「ふんどし」といえば、
やはり『ジョン・シルバー』の「夜の男」が初登場時に見せる、
あの長い長いふんどしです。
唐さんによれば、実はあれには明確な理由があって、
単なるこけおどしやインパクト狙いでは無いらしいのです。
夜の海を泳ぐにはサメが怖い。
そこで、長いふんどしを身に付けて自らのからだを大きく見せれば、
サメが退散するという効能があるのだそうです。
荒唐無稽に見えてリアリズム。
唐十郎を追いかける者なら誰もが押さえておくべきポイントです。
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