7/2(木)じめじめした陽気について
2020年7月 2日 Posted in 中野note
じめじめじめじめしていますね。
マスクの内側も蒸れるし、嫌だ嫌だと思いながら過ごしていました。
が、『唐版 風の又三郎』が入っているハヤカワ演劇文庫をめくっていたら、
「なんてじめじめした陽気だろう」というせりふが目に飛び込んできて
慰められ、反省しました。
同じ文庫に収められている『少女都市からの呼び声』の一節です。
このせりふを初めて唐さんが書いたのは60年代の前半で、
23歳の時に書かれた
『24時53分"塔の下"行は竹早町の駄菓子屋の前で待っている』という芝居に、
すでに登場します。
この劇は謎めいた塔のある町を舞台に、老人たちが
「なんてじめじめした陽気だろう」と言いながら階段を登り続け、
やがて塔に頂上に達すると、そこから身を投げるという劇です。
なんだか暗いじゃないですか。
だから同じせりふが登場する『少女都市からの呼び声』を
唐ゼミ☆でも上演する時に神妙にやろうとしたら、
唐さんには「もっとスピーディーな方がいいよ」と言われ、
大久保鷹さんには、嬉々としてやるべし、とアドバイスを受けました。
前にも書いたと思いますが、
このせりふは、高温多湿の日本に対する讃歌である、と。
なるほど、私たちは深刻な状況下でもけっこう明るいし、
忘れっぽい。それは愚かさかも知れないけれど、
愚かでみっともなくてしかも陽気なのが希望なんだとも
気付きました。なかなか深いですね。
嬉々として、「なんてじめじめした陽気だろう」と言いましょう。
そうすれば、日本に暮らす自分のからだを謳歌できる感じがします。
毎日じめじめしてるって、なんて素晴らしいんでしょう!
本日もこれからワークショップです。
以前にこのゼミログでご紹介した9歳の子も参加してくれるので、
大人の皆さんにどういう影響を及ぼすのか、とても愉しみです。
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