7/30(木)ど根性トカゲ

2020年7月30日 Posted in 中野note
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先日の晩、立ち寄った建物の5階で驚くべきものを発見しました。
それが上の写真です。

名刺くらいの大きさのトカゲ。見事なスタイルです。
悪天候のなか窓にはりついていたんですが、よく5階まで来たものです。
心から感心するとともに、これから彼が地上に降りる困難を想像し、
頑張れ!と、胸が熱くなりました。
ここまでも苦労したでしょう。しかし、ここからが本当に大変そうなのです。

唐さんは動物が好きで、
よくアニマルプラネットを観た話を伺った時期がありました。

芝居にもしばしば動物は登場し、中でも私が気に入っているのが、
『下谷万年町物語』に出てくる「大トカゲ」と、
『黒いチューリップ』に登場する「グアーチャロ」です。
「グアーチャロ」、南米の洞窟に棲む鳥で、暗闇にいるために目が見えない。

相当ざっくり整理すると、
「大トカゲ」は、辺境の地で独自の進化を遂げてしまったユニークな存在です。
『下谷〜』の中で大劇団「軽喜座」に対抗して旗揚げしたメンバー三人の
弱小新劇団「サフラン座」に、「大トカゲ」が重なる。

一方、「グアーチャロ」。
恋のもつれによって刃傷沙汰を起こしてしまった登場人物「ノブコ」。
刑務所に収監されるうち、世間の光を恐れてだんだん居心地が良くなって
しまう彼女の姿に、一生を暗闇で過ごす「グアーチャロ」が重なります。

『黒いチューリップ』の初演時、
観客には馴染みのない「グアーチャロ」を少しでもイメージできるよう、
この鳥の鳴き声を探し回り、たいへん苦労しました。


唐さんの動物への興味は尽きることなく、
ずばり『動物園が消える日』という演目には、
ストレートにそれがあらわになっています。
この台本は私たちも上演していますので、また別の機会に。

私自身は、カンガルーが好きです。
走り始めて一定以上の高スピードになると、
むしろ酸素が要らなくなるというエピソードが妙に気に入っています。
車だって、高速道路でずっとハイトップギアでい続ける方が
かえって燃費が良いのと、通じるものがあります。


写真を撮ってから約24時間以上が経ちました。
あのトカゲが無事に地上に戻っていると良いのですが・・・。

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