7/31(水)日曜から初期唐十郎〜『煉夢術』の世界へ

2024年7月31日 Posted in 中野note
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↑1971年に中央公論社から出版された箱入り単行本です。
執筆から時間が経ってからの出版に、唐さんがこの台本を大切にして
いたことが伺えます


『少女仮面』公演のためにここ2週間お休みしていましたが、
今度の日曜日から、恒例のオンラインWSを再開します。

新たなお題は『煉夢術』。唐さんが24-25歳の時に書いた台本で
冬樹社の作品集に3本目の作品として載っています。
それまでの2本は短編だったのですが、かなり分量が増え、
初めは劇団に誰も書く人がいないから、という理由で始めた劇作も
馴染み、野心的に書こうとした青年・唐十郎を感じることができます。

一方で、1967年に紅テントを発明する前の唐さんの、
本来持っている内向性がいかんなく発揮された作品で、
青年期独特の暗さと共に全体が進行するなかで、
唐さんの原点を見極めていきたいと考えています。

一見、抽象的な設定の中に具体性を発見するとぐっと読みやすく、
内容が身近なものになるでしょう。そういう読みをするつもりです。

・唐さんが描く「塔」とは何なのか
・唐さんはなぜ地図売りを描き、そこに何を託したのか
・唐さんの描くオルガンの響き

こういったところを読み解きながら、初期唐十郎のスタティックな
世界を味わいましょう。暑苦しい夏には、静謐な台本を!

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