7/6(水)ロミカの卒業

2022年7月 6日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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昨日は不意打ちのような別れがあった。

火曜の朝は語学学校を休み、Albanyに行く。
いつも開かれるシニア向けWSに参加するためだが、
今日はマネージャーのソフィーが休みだった。
代わりにロミカがいた。

みんなで美術製作を行った。97歳最高齢の女性と、
初めてWSに参加した女性の相手をすることになり、
二人の間に挟まれて一緒にペイントをした。

今日の仕切りはジャスミンというエンテレキー・アーツの
腕利きスタッフ。なかなかの無茶振りだった。

こちらだってKAATで多くのシニアを相手にしてきたのだ。
語学力の不足を除けば引けを取るものではないと自分を鼓舞して
4時間の長丁場を持ち堪えた。特に新人さんはいかにも
不慣れだったから、いろんな話を必死に聞き出しながら、
作業も逐一いっしょにやり、最後まで見送って「来週も会おう!」と
何度も何度も約束して別れた。

今日は特別に長時間やる日だったから、ボランティアスタッフも、
途中でひとりふたりと帰っていく。
最後の片付けまで残ったのは自分も入れて4人だけだった。
ふりかえりのミーティングをして、解散。

すると、ロミカがジャスミンと抱き合い始めた。
なぜ?と訊くと、ロミカは今日が最後だと言う。
正確に言うと、先週で劇場との契約が終わっていたのだけれど、
今日は、前に自分が担当していたWSのメンバーに会うためにやって
きたのだった。

これが英国だ。
終身雇用とはかけ離れたところで働くのが自然なのだけれど、
ロミカは初期に特によくオフィスで顔を合わせていたので
ショックを受けた。

この劇場のスタッフにはいつも仲の良い。
けれど、この仲の良さは常に離合集散を繰り返す
英国スタイルゆえなのかも知れないと思う。
だからこそお互いに敬意を持ち、一緒にいる時間を大切にする。

残る半年間にも同じようなことがありそうだ。
あるいは、自分が帰国して3年も経ったら知り合いが誰も
いなくなりそうな気もする。

みんな、己の腕一本で生きているのだ。

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