7/7(火)音楽を探しています

2020年7月 7日 Posted in 中野note
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↑1幕半ば過ぎのこの場面、モリコーネさんにお世話になりました。

芝居の中でかける音楽を探しています。
劇を作る時はいつもこうで、良い音楽を見つけるとその曲に導かれて、
これから作りたい劇の内容が立ち上がってきます。

こうなるとしめたもので、稽古の前後もその音楽をずっと聴き続け、
集中が切れることがありません。
目の前に完成した舞台があるかのように予感していられるようになる。

今回も数曲、新たに見つけてあります。
過去に集めた音楽の中からも、聴き直して数曲を引っ張ってあります。
しかし、まだまだ。

『唐版 風の又三郎』は劇中歌が多く、安保由夫さんの作曲は極めて
粒揃いです。それに予め唐さんが指定した
西田佐知子の『エリカの花散るとき』
エンリコ・マシアスの『わかっているよ』
軍歌『荒鷲の歌』
もうこれだけで強力すぎる布陣です。

ですから、それに加えてさらに細部を詰め、ダメ押しする音楽を
探しているわけです。


劇を演出し始めた時から、必死で音楽を探してきました。
ある曲を偶然に見つけ、やれやれ、ようやく劇の目処が立ったと
思ったことも数知れません。
ということは、その曲が見つかるまでは暗中模索で、
常に心細さと一緒にいるということでもあります。

貯めたお金を使い果たしながら、渋谷にかつてあった
CDショップに通い詰め、当たりが出るまでジャケット買いを
繰り返していたこともあります。
当時はその場でパソコンで聴く習慣も無く、
わざわざ渋谷まで買いに行って家に帰り、すべてのCDが外れて
何度も途方に暮れていました。

今はitunesがありSoundHoundがありますから、ずいぶん便利に
なり、また余分なお金を使わなくて済むようになりました。
台本がよく読めるようになってからは、
前より一直線に必要な曲に辿けるようにもなりました。。

イタリア人作曲家のエンニオ・モリコーネさんが亡くなったそうですが、
彼には大変お世話になってきました。
唐さんは『荒野の用心棒』が大好きで、
私はまた別の、ほとんどポルノ映画としか思えないくらい
ベッドシーンが多くて内容の薄い映画に彼が作った曲を偏愛しており、
『動物園が消える日』を上演した時には、
その曲で劇が完成したようなものでした。

今夜は追悼で、かなり久々に聴き直しています。

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