7/8(木)オペラ5連投

2022年7月 8日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑小柄だけれど、出てくる音は大きなアントニオ・パッパーノ監督。
名前も鳴りが良さそうだ。

今週はロイヤルオペラハウスに通っている。
月から水曜までで『コシ・ファン・トゥッテ』
『カヴァレリア・ルスティカーナ』『道化師』
『マダム・バタフライ』を観た。

バタフライを除いて立ち見席を押さえることができた。
立ち見は良い。途中で座ることができるし、伝統あるオペラハウスの
あの狭い席に押し込められるより、結局は疲れない気がする。
周囲との距離感も良い。座席に座ると、両隣の人がどんな風で
あるかによってかなりコンディションが変わる。

昨日のバタフライなどは、その最たるもので、
蝶々さんの自殺で終わるエンディングに口笛をもって歓呼するとは
どういう了見なのだろう。

この国の客席は盛り上がる。拍手も口笛もブラボーも大きい。
けれど、それが必ずしも良いかといえば、そうでもない。
人間には、静かに余韻を味わうべき時があるのだ。

最も良かったのは、二日目のヴェリズモ・オペラ2作だった。
アントニオ・パッパーノ指揮のもと歌手も演奏家も解放されていて
何より演出が優れていた。古典劇的にヒロイックなところと
近代劇的に会話や心理が緊密なところ、両方の良いところを
美味しいところどりしたような上演で、見事だった。

だいたい、オペラはかったるいものだと思う。
もともと貴族の遊びなのだ。魂の叫びや、人生を揺さぶられるような
体験を求められるものではないのだ。ダラダラ進むのも仕方ない。
心に余裕がある人が特権で観るものという感じがする。

YouTubeの広告にイライラするような現代人では愉しめないのも当然だ。
という感覚からしても二日目は良かった。

と言いながらも、
昨日はAlbanyでインスタレーション・オペラの『Sun & Sea』を観て、
今日もまた、これからロイヤル・オペラ・ハウスに行く。
たまたまそういう週になってしまった。

明日は『The Blue Woman』という新作オペラの初演。
これにはかなり興味がある。もともとが絶滅危惧種的ジャンルだし、
コストがかかる分、わざわざ作る意味を考え抜いた結果、
珍妙なことが起こりやすい。期待できそうだ。

ちなみに立ち見席の値段は2,500〜4,000円だ。
高い席は40,000円くらいするが、これくらいだから手が届くのだ。

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