8/10(水)エンジバラの2日目

2022年8月10日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑24:30くらい。スリー・クワイヤーズ・フェスからエジンバラへ
ハードスケジュールを嘆くミュージシャンたち

3日間の滞在の真ん中に当たる昨日は、
泊まっているドミトリーに荷物を置き、軽装で出かけることができた。

まず、開園時間にお城に行ったら、すでに予約で入場券が完売していた。
明日もダメ。来週に来るから、持ち越そうか。
ただでさえ有名観光地の最盛期に来てしまった。

そこから朝ごはんを食べて、チケットを買いに行った。
エジンバラに限ったことでなく、英国での買い物は時間がかかる。
スーパーでも、駅でも、ボックスオフィスでも、窓口がフル稼働している
のは稀だし、何人並んでいようが受付の人が常にゆっくりなので
当て込んでいた時間の3倍かかったりする。
時間もできたし、あとがタイトにならないように。

1本目:ウィル・テルと悪い男爵
ケッチさんがアドバイザーに加わった子ども用作品。
女の子版ドン・キホーテみたいな話で、ウィリアム・テルに憧れる
少女が身の回りの品で英雄に扮し、悪の男爵の城を探し当てて
これを倒す。造形や動きで観せる。何回か、子どもたちをステージに
上げて助っ人として活躍してもらうことにより、彼らをどんどん味方に。
最後は全員でゴールした感じだった。
お金持ちの子どもたちが多く観に来ているのか、子どもたちの誰からも
エレガントでゴージャスな感じがした。

2本目:ラッカス(騒ぎ)
当てずっぽうに入ったこれは、女優の一人舞台。
男女のゴタゴタを描くせりふ芝居で、ゆえに置いて行かれた。
ファック・ミーと何度も吠えていた。うっかり最前列に座って
しまったので、眠らないように最後まで頑張って消耗した。
早すぎる英語を聴いていると眠くなる。
終わった後、キットカットを食べた。

3本目:一人でロード・オブ・ザ・リング
黒つなぎに地下たびの男性俳優が例の三部作を一人で、
1時間で演じ切っていた。あらゆる役と情景を声と体の動きで表現。
途中に起こるDVDの交換まで。頭空っぽで大笑いしながら観た。
第一部を映画館で観て、エンディングで三部作だと気づいたこと。
第二部を唐さんも観ていて、オーランド・ブルームについて喋ったこと。
第三部はヨコハマ・ウォーカーの葉書応募で当てて先行で観たことを
思い出した。一人で映画を演じるといえば、マルセ太郎さんも
思い出した。

4本目:歌劇ルサルカ
ドヴォルザークのオペラ。セットと照明、演出が良かった。
歌と音楽が先行するオペラでは、オーセンティックでない演出が
成功することは稀だ。どこか足りなかったり、やりすぎて素材を
邪魔していたり、訳わからなかったりするけれど、これは実に巧みに
一体化していた。巨大な蓋つきのセットで水底の世界を巧みに表現。
コミカルなシーンもふんだんにあって、けれども聴かせどころでは
この作曲家のフォークソング的に単純素朴な魅力が全開だった。

終わった後は、ピーター・フィッシャーの手引きでパブへ。
フィルハーモニア管弦楽団の女性ヴァイオリニストたちと
おしゃべりして、これまで来日コンサートで聴いてきた曲目を
伝えた。なぜかイギリスの地方都市であるポーツマスの話題になり、
昔、大里先生に教わったポーツマス・シンフォニアの話を振ったら
ピーターしか知らなかった。で、YouTubeでこのオケが演奏する
『ツァラトゥストラ』を彼らに聴かせたら、大喜びしていた。

あと、明日はイギリスの名優アラン・カミングの一人芝居を観る
と伝えたら、4人のうち誰も彼を知らなかった。
この人ですよ、とスマホで画像を見せたが、反応薄。
終いに「あ、アランはスコティッシュだ。私たちイングランド
だから知らないんだ」と皆が言い出して、冗談の中にイギリス人たち
の国民意識を知ることになった。

静かにシャワーを浴び、午前2時頃寝る。

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