8/13(木)さして長くないのではないか

2020年8月13日 Posted in 中野note
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↑昨晩は最後の本読みでした。
6日間かけて3つの幕を稽古してきたので、最後に全幕を読み通しです。
『唐版 風の又三郎』に取り組んで以来、これは初めてのことでした。

とりあえず通しで読んでみよう、ということを私はしません。
意味も分からず盲滅法にただ読み上げることは、
作品に申し訳ないし、役者たちの体にもいたずらに負担がかかります。
第一、聴いていて耐え難い。

逆に言えば、昨日に何とか通しで読むために、
これまでの半年間にわたり積み上げてきた研究があったと言えます。

結果、実りも、至らないところもあったのですが、
一定の指標を得ることができました。
要するに、この芝居はイケる。

今回、私たちはノーカットで上演します。

厳密に言うと、劇中歌をコンパクトにするところはある。
この劇では同じ歌を何度も歌うので、
あるところは1番だけ、別の箇所では2番だけ、そんな風に調整します。
こういうのは工夫のしどころで、前後のシーンを見ながら、
あ、ここは2番の歌詞の方がしっくりくるな、
などと選択していくのが愉しいし、歌がより効果を発揮します。

要するに、
唐さんが書いた言葉で、一度も発語されない言葉があってはならない。
これが大原則です。


で、通し本読みの結果。
私は上演時間を、休憩2回含めて3時間強とにらみました。
トイレの3密を避けるために休憩時間を延ばす可能性もありますが、
覚悟していたよりずっとコンパクトだという実感を得ました。

全体をスピーディーに、それでいてメリハリを効かせ、
厳選した見せ場をここぞとばかりにたっぷり見せるのが私の信条です。

せりふは、強調したいところをしっかりと聴かせたら
あとは速く言った方がわかりやすい。
全体がゆっくりだと、かえって何が言いたいか判らなくなります。

そのためには、目の前のせりふが何を伝えたがっているか、
役者は意味を熟知する必要があるし、だから台本をよく読んできました。

これまでに唐ゼミ☆が公演してきた中で、
何と言っても長かったのは『下谷万年町物語』でした。
特に2幕は抜きん出ており、やってもやっても終わらない。
上演に3時間半近くかかった日もありました。

その『下谷万年町物語』に比べれば、
『唐版 風の又三郎』の台本は20ページほど短い。恐るるに足りません。
何より、必ずや内容の充実が時間を忘れさせるようにつくります。
改めて、この芝居はイケます。

今日から立ち稽古です。

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