8/17(月)稽古とワークショップと

2020年8月17日 Posted in 中野note
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↑アクション・シーンのために立派な剣を用意

昨日は、午前から昼過ぎにかけての稽古と、
夜のワークショップを渡り歩きました。

『唐版 風の又三郎』のせりふは実に膨大なのですが、
本読みに費やした助走期間も長かったですし、
まだ序盤ですからスイスイと進んでいます。

面白いのは、やはり立ち稽古ともなれば、
登場人物同士のやり取りが本読みよりも遥かに複雑になることです。

ことばだけでなく、目線や体の向きでも人は会話します。
対面する相手とせりふのやり取りをしながら、
意識は他の人間と対決したりする。
こういうことを要求してその場に渦巻く対立を複雑化させると、
場面の緊張は一気に高まります。

これをいちどきに全てを消化することが難しいメンバーにも、
順を追ってひとつひとつ体得してもらい、
必ずや自分のものにしてもらいます。
手順を踏みながら、次から次へと要求。


上記のような稽古の影響もあり、
ワークショップでも、半ば立ち稽古のようなことをやりました。

『恋と蒲団』全34ページを4回に分けて進行しているワークショップですが、
昨晩はその2日目。ここには、ちょっとしたアクションシーンがある。
だから、パソコンの向こうの参加メンバーにも、
剣で切り結ぶアクションをしながらせりふを言ってもらいました。

家族の方にはさぞ怪訝に思われたでしょうが、
本格的に劇を想定する醍醐味は味わってもらえたように思います。
また、目下わたしたちを苦しめているこの暑さが、
『恋と蒲団』を読み解くにあたっては、実に有効なのです。

炎天下に立ち尽くし、じっとりと片想いの相手の家に視線を向ける。
『恋と蒲団』の主人公はこうでなくてはいけません。
さらに、当の青年は恋が叶わなければすぐにこの街を去ろうと決意し、
背中に蒲団まで背負っている。その背中の汗ばみ、蒲団の汗ジミこそ、
この台本に向き合う者が心得ていなければならない重要なポイントです。

来週はいよいよ、唐十郎流の恋愛シーン・濡れ場にも差し掛かり、
じとじとと燃え上がります。

そうそう。ワークショップは面白いし、
『唐版 風の又三郎』の気分転換になるので来月もやります。

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