8/18(水)宮沢賢治の奇妙な歯ざわり
2021年8月19日 Posted in 中野note
↑最近発見して、面白く読みました。
新たなものを発見しました。
これは、『唐版 風の又三郎』が初演された1974年から約十年が経った
1985年の刊行物なのですが、唐さんのインタビューが載っています。
宮沢賢治の地元である岩手県の方が編まれた刊行物です。
四谷シモンさんが復活したことで有名な『あるタップダンサーの物語』
のツアーが盛岡を訪れた際に、取材を受けたようです。
この時点では、数年前に『グスコーブドリの伝記』をもとにした
『黄金バット〜幻想教師出現〜』を上演したばかりでもありますから、
唐さんが嬉々として「ブドリ」について語り、
もちろん「又三郎」についてもおしゃべりしています。
さらに、こういうのはあまり聞いたことがなかったんですが、
『飢餓陣営』とか『ポラーノの広場』、果ては『春と修羅』にまで言及。
語り口は平明で分かりやすく、それでいて、
賢治がいかに色々な題材を咀嚼する体力に満ちていたか、
という話題を展開されています。
要するに、賢治というと青白い青年の感じがするけれど、
そうではなくて、あれだけの作品をものにしていくためには、
それぞれのテーマを喰らい尽くしていく歯の力が凄かったはずだ、
こういうのがいかにも唐さん流です。
自分はこれを呼んで、なぜ状況劇場の初演時のポスターに
「風喰らい」というワードがあるのかようやく認識しました。
ところで、同じ賢治ものであるにも関わらず、
唐さんもインタビュアーも、『夜叉綺想』と『セロ弾きのゴーシュ』
には一切触れていません。
ちょっとくらい水を向けてくれても良かったのに。
自分にとっては思い入れのある作品なので、
いずれワークショップで取り上げてみたくなりました。
きっと数ヶ月かかる大長編になります。
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