8/20(金)賢治の2学期
2021年8月21日 Posted in 中野note
昨日は、自分の小学生時代。
夏休みの終わりと二学期の始まりが憂鬱だった話をしました。
一方、賢治の『風の又三郎』冒頭はいかにも嬉々として始まりますね。
二学期になるのを、先生も生徒もみんな待ちわびていた、
そんな雰囲気からスタートします。
考えてみれば、賢治の頃の小学生たちは、
みんな"義務"ではなく、"権利"として登校していたんですね。
学制が敷かれたばかりの当時、
子どもが学校で勉強することはまだまだ特別なことでした。
農村部の親にとって子どもは立派な労働力でしたから、
なかなか学校にやりたがらないPTAを説き伏せるのは、
小学校教師たる賢治にとってかなりの難事業だったと言います。
現実には、この説得は壁にぶつかってばかりだったようですし、
結果的に思う通りにならない事例が山積みだったそうです。
だからこそ、賢治の作ったお話の中での"教室"の景色は輝いています。
『唐版 風の又三郎』のトップは、
当然ながらこのパロディから始まります。
だから、私は現場に対して、かなりかなり嬉しくやって欲しい、
とお願いします。先生も、生徒も、待ちに待った待望の
授業開始であって欲しい。芝居全体の始まりでもあるので、
ついでに開幕の嬉しさも乗っけて欲しい。
こんなオーダーを、何度も何度もします。
台本にしてたった数ページの間にかなりの数のイベントが
目白押しのこの幕開けは、数ある唐作品の中でも
屈指の名場面です。
だからこそ、とにかく2学期と今から始まる劇を謳歌して
めいっぱい突撃したいところです。
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