8/24(土)現在の作品を聴く

2024年8月24日 Posted in 中野note
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今日も都内に出ました。目的地はサントリーホール。
芥川也寸志賞の選考コンサートを聴くためです。
目当ては、選考のための演奏を指揮する杉山洋一さん。

神奈川県民ホールでは10月5-6日に、イタリア人作曲家のS.シャリーノ
による『ローエングリン』という作品を公演します。その指揮をして
頂くご縁で、自分は杉山さんの世界に親しむようになりました。

杉山さんご自身が作曲家でもあるので、和楽器を使用した
作曲作品を聴いたり、他の現代作曲家の曲を指揮されたものを
ずっと聴いてきました。特に作曲作品は面白く、聴いてるとボンヤリ
してきて、ずっと浸っていることがあります。

1月には、名古屋フィルハーモニーとの共演されるのを名古屋まで
聴きに行きもしました。もはやちょっとした追っかけです。

杉山さんに接していると、自分が20代の終わりに初めて感心した
クラシックの演奏会を指揮したフィンランドの作曲家・指揮者の
エサ=ペッカ・サロネンさんを思い出します。
ご自身が作曲家であることで、同時代の作曲家たちの意志を
くみ取って鮮やかに伝導していく存在。そういう感じがするのです。

2022年にロンドンで過ごしたことで、自分は現代音楽についての
見方が変わりました。オルガン曲やオラトリオのように古風なもの
まで続々と新作が生まれているのを目の当たりにして、自由な感じを
覚えたのです。それがずっと演奏され続けるものかは問題でなく、
新作が生まれること自体が活力の証です。

サッチャーやヒラリー・クリントンが登場するオラトリオを
爆笑しながら聴いて、新作はウキウキしたものだと痛感しました。
同時にそれは、自分の保守性を反省する機会にもなりました。

さらに、そういうムーヴメントがあることで、
古典化した作品の演奏や上演もまた、パワーを帯びるのです。
今はJRの中です。家に帰ったら久々に、唐さんが自分たちのために
書いてくださった『木馬の鼻』の台本をめくってみようと思います。

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