8/26(木)今回の「大学生」役は・・・

2021年8月26日 Posted in 中野note
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川崎H&Bシアターを後にして、
劇団かに座の稽古場にやってきました。
横浜駅の近くにあるという、実に恵まれた環境です。

かに座さんは実に由緒正しき老舗の劇団で、
稽古場にはこれまで積み重ねてこられた公演ポスターが
壁せましと貼ってあります。
ゆうに100回を越える公演回数。
やっと30回強の私たちにとっては、羨ましいキャリアです。

今日は、新たに加わったメンバーのうち、
渡辺宏明さんを紹介します。

去年は元唐組の気田睦さんが演じ、礎を築いてもらった
「大学生」役を引き継いでもらうことになりました。
物語のキーパーソンである自衛隊機乗り逃げの高田三郎三曹の弟にして、
軍人家系の末弟たるこの役は、いつも学ランをビシッと着て、
常に竹ざおを振り回しているという気合の入った役どころです。

この劇が初演された1970年代の初頭、
このような奇矯な振る舞いで世間を賑わせた青年が実際に九州にいて、
それをつげ義春さんが漫画に取り上げたのを、さらに唐さんが応用して
劇作に活かしたというのが、真剣かつ愉快なこのキャラクターが誕生した経緯です。
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渡辺さんとはもともと、
望月六郎さんの主催する劇団ドガドガ+の公演に出演していたのを
きっかけに出会いました。それが始まりで、私たちが2014年に望月さんに
書き下ろしてもらった劇『君の罠』に出てもらいました。
新宿中央公園にデビューできた、あれが最初の公演です。

あの時は、横浜で行われる稽古が遅くなるとうちに泊まりにきてくれて、
得意の料理も披露してくれました。
渡辺さんは当時、高級イタリアンレストランで働いており、
自前の立派な包丁も所持するほどの腕利きだったのです。

その後は、ずっと所属している
Bobjack Theater(ボブジャックシアター)で活躍しながら、
最近では声優の学校にも通って芸域を拡げてきたとのこと。

5年以上経って再会したら、
明かに声がデカくなっており、せりふも明晰になっている。
これらは一朝一夕にどうにかなるものではないので、
ずっと粘り強く鍛え上げてきたのを感じます。

今日も大いに修練の成果を活かし、思い切り竹ザオを振り回しています。

川崎での連続稽古で他メンバーの喉はまだ疲れ気味ですが、
渡辺さんのフィジカルの強さが、全体に活力を与えています。

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